10月
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Aerides leeana Samar | 炭化コルク植替え前 | コルク取外し | 右株の裏面根周り |
45㎝ x 18㎝炭化コルク植替え | 植え替え後のAerides leeana |
現在(22日)開花中の花25種
外気温が20℃以下となる季節となりました。浜松の温室内では、昼間に上昇した温度の保温効果で夜間でも20℃前後が維持され、まだ暖房器は稼働を始めていません。一方で換気扇が回る頻度が下がり、温室内は昼間でも高湿度となり原種は元気一杯です。開花中の25種の花を選び撮影しました。Bulb. sp (championii) New Guinea | Bulb. nasica yellow New Guinea | Bulb. inunctum Philippines |
Den. sp aff. cymbicallum Borneo | Den. punbatuense Borneo | Den. ovipostoriferum Borneo |
Den. atjehense Sumatra (Ache) | Aerides magnifica Philippines (Calayan) | Vanda merrillii Luzon |
Phal. deliciosa alba Vietnum | Phal. lowii Thailand | Phal. fasciata Luzon |
Phal. sanderiana dark pink Mindanao | Bulb. dearei dark orange Mindanao | Bulb. blepharis Thailand |
Bulb. centrosemiflorum Papua New Guinea | Bulb. medusae Malaysia, Thailand | Peristeria lindenii Ecuador |
Dracula roezlii Colombia | Dracula venefica Ecuador | Dracula rezekiana Ecuador |
Dracula bella Ecuador | Dracula marsupalis Ecuador | Dracula janetiae Peru |
Dracula mantissa Ecuador |
Bulbophyllum alkmaarense
2018年マレーシアのPutrajaya花展でNT Orchidからバルボフィラムspとして入手した株に小型の花が初開花しました。前にも述べましたが、種名不詳で入手したニューギニア種はその生息域が不明な場合、まず低 - 中温室にて様子を見ることにしています。本種もそうした対応で株に異常が見られなかったことから昨年までの2年半、そのまま栽培を続けました。しかし一向に開花が無く、今年に入り栽培環境に問題ありとして、高温室の高輝度となる場所に移動しました。その結果、新芽や先月末からは花芽が現れ今週13日に開花に至り、花形状からBulb. alkmaarenseであることが分かりました。そこでBulb. alkmaarenseの情報をネットで調べたところorchidspecies.comには、本種の生息域は1,500m - 2,500mで、これはDen. cuthbertosoniiクラスのクールからコールドタイプとなります。一方、Monaco Nature Encyclopedia(以下MNE)では中 - 高温タイプとされ、夏季は18-30℃、冬期はやや低温であるものの12℃以下にならないように、と記載されています。これではこれから本種を栽培しようとする趣味家にとって、どちらを信じれば良いのか分かりません。不適正な栽培温度は枯れに直結します。さらに別種名Bulb. xanthoacronとはシノニムの関係とのことです。当サイトで新芽が成長し、開花した4ヶ月程前の高温室の気温は、25℃(夜間平均)から32℃(昼間平均)となる、かなりの高温です。さらに問題はMNEの前記リンク先ページの株姿はバルブ間のリゾームが長く、本種の一般形状からは別種の如き違和感があります。またorchidspecies.comやMNEでのリップ中央弁は黄色であるのに対し、OrchidRootでの本種名は濃淡のある赤茶色のカラーフォームで、当サイトと同じです。Bulb. alkmaarense New Guinea |
Bulbophyllum nymphopolitanumとcootesiiの植替え
Bulbophyllum nymphopolitanumとcootesiiの植替えを行いました。Bulb. nymphpolitanumは2020年1月の歳月記に取り上げましたが、orchidspecies.comを始め、ネット上に見られる本種名の画像はBulb. levanaeやpapulosumのブラウンカラーフォームと思われる種が大半で、J. Cootes著Philippine Native Orchid Species 2011に記載のBulb. nymphpolitanumとは異なります。この書の画像は、PhytoImages.siu.edu で見ることが出来ます。Bulb.nymphopolitanumの特徴はラテラルセパルの長さと幅の比率(3.5:1)や、リップ中央弁全体を覆うイボ状凹凸面などです。当サイトのBulb. nymphpolitanumは2014年Bulb giganteumのミスラベルでフィリピンラン園から偶然入手したものですが、その後のマーケットにおいて本種を見かけることがなく、希少性が高いと判断し今回5株の植替えを行いました。Bulb. nymphpolitanumを始め、その近縁種は基本的に吊り下げ型の支持材への取付けですが、先端バルブは真上に一様に向かわず、横や斜め方向にもしばしば伸長します。このため支持材の伸びしろ分は縦幅だけでなく横幅も必要で、今回はこれまでのサイズ 30㎝ x 11cmから35 x 18cmと 45㎝ x 20cmの2種類を用いての植付けとしました。下写真上段左はBulb. nymphpolitanumの花で、右は新しく2種類のサイズの支持材に植付けた株です。花画像下の青色の種名をクリックすると本種の改版予定ページにリンクし詳細情報を見ることが出来ます。Bulb. nymphpolitanum | 2種類の支持材サイズの植付け |
3年経過した植え付け前の炭化コルクと株 | 取外した株の洗浄後の状態 | 左の株の裏面 |
Bulb. cootesii | 旧支持材取外し株 | 左株の裏面 | 植替え後の様態 |
Trichoglottis atropurpurea f. flava (alba)の植替え
Trichoglotties atropurpurea flavaは当サイトが所有する原種の中で最も希少性の高い種の一つで2014年フィリピンにて入手しました。昨年7月の歳月記で取り上げましたが、おそらく本種を現在取り扱っているのは世界でも当サイトのみと思います。J. Cootes氏著Philippine Native Orchid Speciesによると、フィリピン生息のTrichoglottis属のサイズについてTrichoglotties atropurpureaなど単茎性で上方に伸長する種の茎の長さは60㎝、またlatisepalaなど茎が下垂する種での長さは1mとされています。しかし当サイトでのTrichoglotties atropurpurea flavaは1.2mと倍の長さです。本種の開花には、午前中の木漏れ日を直接浴びる程の高輝度が必要となります。Trichoglotties atropurpurea f, flava | 炭化コルク付け | ヤシ繊維マット付き炭化コルク | 60㎝と90㎝支持材裏面(右、中央) |
現在開花中の18種
撮影は7日と8日です。Den. olivaceumは自然体での正面からの撮影で、本種は倒立花のためリップ中央弁の裏面が前を向いています。Den. amboinenseは通常、セパル・ペタルを下垂させて開花していますが、写真のように全開するのは極めて稀で、開花直後の早朝の撮影となりました。画像の下の種名が青色のそれぞれの種は、改版予定のページにリンクしており詳細画像を見ることができます。Den. calicopis Pn. Malaysia | Den. dianae Borneo | Den. punbatuense Borneo Sabah |
Den. olivaceum green Borneo | Den, sanguinolentum white Borneo | Den, sanguinolentum yellow Borneo |
Den. amboinense Amboin island | Den. spathilingue Java | Den. subclausum New Guinea |
Den. bicolense Luzon | Den. lancifolium New Guinea | Den. polytrichum Luzon |
Coel. asperata Philippines | Phal. equestris Mindanao | Phal. mariae Mindanao |
Vanda lamellata v.remediosae South Philippines | Bulb. inunctum Luzon | Sobralia yauaperyensis Ecuador |
デンドロビウムPlatycaulon節の植替え
Platycaulon節にはDen. platycaulon, treubiiまたlamellatumなど10種程が知られています。特徴は扁平な疑似バルブと、細長い多数の分岐した根があることです。半下垂タイプのため吊り下げ型の取付が好ましいものの取付材が小さいと、やがて伸長した多数の根がはみ出し空中に垂れ下がっていきます。こうした長く細い根を持つ種は素焼き鉢栽培が無難となります。しかし鉢内でやがて根が詰まってくると、飛び出た根をもつ板状支持材と同様に、株はそれ以上大きくはならず高芽が出るようになるため、高芽を別の鉢に植え付けて株分けを行います。限られた栽培空間の場合はむしろその方が良いとも考えられます。Den. platycaulon Philippines | Den. platycaulonと60㎝長支持材 | 取付後 | 支持材反り防止針金 |
Den. platycaulon 根形状 | Den. lamellatum 根拡大画像 | Den. platycaulonコルク活着拡大画像 | Den. platycaulon 根の拡大画像 |
現在(1日)開花中の花17種
朝夕の気温が下がり、1日の温度差が増すと、多くの原種の芽や根は活発になります。今回は17種を選んで撮影しました。撮影は先月29と30日です。Bulb. unitubum | Den. dearei Borneo |
Bulb. claptonense aurea Borneo | Bulb. falciferum New Guinea | Bulb. sp (championii) New Guinea |
Bulb. nasseri Philippines (Mindanao) | Bulb. habrotinum (Borneo) & plumatum (Java) | Den. punbatuense Borneo |
Den. singkawangense Borneo (Kalimantan) | Den. khanhoaense Vietnam | Den. officinale China |
Den. lamellatum Java | Den. albayense Philippines | Den. cymboglossum |
Aerides magnifica Philippines (Calayan) | Coel. bicamerata Sulawesi | Phal. bellina wild Borneo |