2月Dendrobium tobaenseの新芽 Den. tobaenseは例年、晩秋から早春にかけて新芽を発生し、伸長を続けています。この新芽に花が付くのは、2年後の疑似バルブの一部に落葉が始まる年となります。下写真は本日(27日)早朝撮影したDen. tobaenseの新芽で4株を選んでみました。これらの株は2017年10月の入荷で、今年で4年目を迎えます。植替えはこれまで2回行い、2回目は昨年の秋でした。写真は全て、その植え替え後に発生した若芽です。左はごく小さい芽で、1週間以内に発生したばかりと思われます。新芽は1株当たり1-3本ほど発生しています。本種は中温タイプのFormosae節で、栽培難易度は高いとされています。5年以上前の栽培では、こうした新芽の幾つかが早春に枯れることがありました。冬期にかん水量を減らし根周りを乾燥させていたことが原因と分かり、その後は常にしっとり感を保つことで新芽が落ちることは無くなりました。下記種名をクリックすることで改版予定のDen. tobaenseのページにリンクできます。Den. tobaense
Bulbophyllum inacootesiae 2月末となり、バルボフィラムの新種Bulb. inacootesiiの多くで新芽が見られます。一部の株では開花も始まっています。下写真は本日(25日)撮影の新芽の状態です。本種は多くの方が購入されましたが、この時期、花芽や新芽が見られない場合には栽培環境(温度、湿度、輝度、通風、かん水頻度、植込み材等)に何らかの問題が考えられます。当サイトから本種を購入された方で、株が今一つ元気がないようであれば、購入時とは別の植替えをされた方を含めて、株の状態写真を添付しメールを下さい。栽培について何らかのアドバイスが出来るかと思います。
現在(24日)開花中のVanda3種 現在、Vanda foetida, helvola およびluzonicaがそれぞれ開花中です。下写真は24日の撮影です。浜松での温室では現在、寒冷紗を終日巻き上げており昼間の晴天日では30℃、雨天日で25℃となっています。夜間の暖房は17℃に設定していますが、昼間の温度の余熱があり、暖房器が稼働するのは1日当たり8時間程です。多くのVandaで新根の伸長が見られます。
テレビ番組 違法な野生植物の採取 明日24日(水)NHK BS1で、午前11時より”キャッチ!世界のトップニュース”で以下の内容の番組が放映される予定です。【フィリピン コロナ禍で観葉植物が人気。感染拡大に伴う厳しい外出制限が続くフィリピンで、観葉植物が空前のブームとなっている。価格も高騰し、この1年で10倍から70倍に跳ね上がっているという。多くの人にとって観葉植物が苦しい生活の中での心の癒しとなる一方で、貴重な野生植物の違法な採取が相次ぐなど、問題も起きている。】 CITES対称のラン属だけでなく輸出目的の野生株の採取は、フィリピンに限らず殆どの国で禁止されており、こうした植物の輸出にはフィリピンの場合、環境天然資源省( Department of Environment and Natural Resources=DENR)発行の輸出許可証が必要です。この書類は当歳月記2017年4月「ラン以外のフィリピンでの買い物」に記載した形式のものです。海外からの観葉植物は近年国内に於いても人気が高く、国内のラン展でも盛んに販売され、時としてラン以上に人気のある種でもあります。過去4-5年のラン展で販売されてきたこうした植物は、全て栽培株であって山採り株ではないと思いますが、野生種の違法採取が大きな社会問題になっている以上、ラン展でこれらを販売する場合には、違法入手株ではないことを証明する何らかの対応が必要と思います。 一つの方法は、ラン展において、ラン属やネペンシスなどはCITESを、一方野生植物においては輸出国が発行する前記DENR相当の許可証の提示を出店者に義務化することです。主催者や購入者から求められれば、許可書のコピーを提出あるいは開示する義務です。現在、東京ドームラン展では、オープン前日に各販売ブースを検査担当者が回り、出品株が山採りか否かを調べることになっています。検査対象は主にCITES対象属ですが、ラン展とはいえ観葉植物の出店・販売も多くなり、輸入されるCITES以外の植物全てを検査の対象とする必要があります。これまで検査では山採りと栽培株の違いを目視で判断することのようですが、この方法は有効とは云えません。これはマレーシアなどに見られるように、ラン園の中には自身が所有する自然林の中で栽培したランや観葉植物を販売するケースも多く、出荷される株が山採りか栽培株かの判断は、株の様態からは不可能だからです。すなわち輸出国発行のCITESやDENRなどの輸出許可書のみが、国内に持ち込まれた植物が合法か違法かの判断資料にならざるをえないのです。 こうした書類の提出は販売者からすると煩わしいと思うかもしれませんが、販売品が交配種や実生であっても、輸入株である以上、それらの輸出許可書は当然ある訳ですから、そのコピーを用意することは、単に書類のコピーの手間だけであって、株にラベルを付けることと変わりません。販売者として、どれが売れるか分からないのに1品種ごとの許可書のコピーを予め用意するのは面倒との声が聞こえそうですが、主催者側は、そうした書類のコピーが不足した時に対応すべく、会場にコピー機を用意しておくことも一案であり、最も簡便な方法は許可書のコピーを求められた場合、書類をハードコピーの代わりにスマホで撮影してもらう対応もあります。また許可書には売手と買手の氏名・住所の記載があり、入手先情報は競合他社との利害に絡むことで知られたくないことがあります。この場合は売手名を塗りつぶしたコピーを用意するだけのことです。このように販売品が合法的輸入物か否かは容易に証明できる訳ですから、こうした情報開示に反論する理由は見当たりません。また海外からの出店者に対しても同じルールを課すべきです。 上記のようなルールを設ければ、主催するラン展側にとっても、取り沙汰される事態に対応していることになり、最も有効で簡便な方法として評価されると思います。ところで最近ヤフーオークションで、出品した植物に敢えて’山採り株’と謳っているケースや、あるコレクター(日本人)のFacebookにフィリピンの山中で、観葉植物のハンティングをしている画像が見られます。こうした行為がl違法であることを知っていてのこととは考え難いものの、合法的輸入・販売する者にまで同類と非難されないよう、今回、販売者側の視点から本件を取り上げた次第です。 現在(21日)開花中の2種 40株ほどのAerides leeanaが下左写真のように7分咲きとなっています。この時期毎年開花し、入荷から3年目の今年は全ての株で花芽がつきました。これまで炭化コルク付けでしたが、長く下垂した根が多くなったため花後には木製バスケットに植替え予定です。一方、Bulb. orthosepalumはバルボフィラムの中では最も高額な種の一つです。写真中央は1昨年植替え時に3株に株分けをした1株で、昨年は開花が見られませんでしたが今年は下写真右のように4輪開花しました。写真中央の長い葉は現時点で60㎝です。
岩生/地生デンドロビウムの植え付け 岩性・地生デンドロビウムは高芽を発生することが多く、今回Den. batakenseの高芽の植付けを行いました。本種はシノニムにDen. metriumやDen. socialeがあり、タイ、マレーシア(キャメロンハイランド)、スマトラ島などに広く分布しており、標高1,200m程に生息の中温タイプです。下写真はスマトラ島からのDen. batakense名での入荷株です。BSサイズの本種はクリプトモスミックスでも栽培が可能ですが、バークミックスが良いようです。下写真左は本種の花、隣は20株程のBS株から取り外した50株弱の高芽です。その隣は、植込み材のバークミックスで、発酵バーク・ネオソフロンα40%(上)、十和田軽石50%(下)および麦飯石10%(中央)の混合前の状態です。右写真は硬質ポリポット(8㎝x11㎝)に左の高芽を植付けた様子です。
ランの植付けや取付について、炭化コルク、最近ではトリカルネット筒をしばしば取り上げていますが、岩性や地生ランは、殆どがバークミックスでの植付けです。最近は上記の素材を組み合わせたバークミックスを多用しており、Den. miyasakiも同じ混合比で植替え準備を始めているところです。同じバークでもクリプトモスミックス(クリプトモスとミズゴケ)は、当サイトでは着生ランのポット植えが主で、例外としてコールドタイプのデンドロビウムやシンビジュームにはクリプトモスがほぼ100%に近い混合比を用いています。 バークミックスは株サイズ(主に根の太さ)によって素材の粒子サイズを変えることと、僅かなゼオライトを加えることがありますが、ミックス比はほぼ同じです。またバークは植付け前に規定希釈の活性剤に一晩浸してから使用しています。十和田軽石はpHが6.5程で保湿性が高いこと、麦飯石は美濃白川産で高価ですが、岩性や地生ランは石灰岩質の土壌生息種が多く、植込み材の酸性化を押さえる効果を期待しての使用です。こうした植込み材の交換期はミズゴケに比べてやや長いものの3年以内(バークが崩れ粘土質になる前)には必要となります。 (続)Bulbophyllum echinolabium 昨年11月の歳月記で、1輪の花の大きさが38㎝のBulb. echinolabiumを取り上げましたが、その後同じ花茎に1輪咲いては散り、2-3週間後に新たに1輪と続き、現在4輪目が開花中です。再度ドーサルセパルからラテラルセパルの先端のNSサイズを測ったところ、41.5㎝で、これまでの最長となりました。orchidspecies.comのサイズ記載では40㎝となっており、このサイトに記載される殆どのバルボフィラムの花サイズは、これまで当サイトの実体と比較してかなり小さく、唯一?大きかったBulb. echinolabiumでしたが、本種も記載のサイズを抜きました。花が終わった後は植替えと、これまで与えたことのない定期的な施肥を行い、今年末には45㎝超えを目指そうと思います。しかし前回も記載したように、この花が放つ匂いは、同時期に開花中のDendrochilum glumaceumのバニラアイスのような甘い香りとは対称的なひどい悪臭で、まるで天国と地獄の違いです。ハエやアブにはその逆でしょうが。この匂いに匹敵する他種は昨年歳月記5月の「Bulbophylum sp red from Sulawesi」のBulb. virescensを赤くしたような種と、Bulb. papulosumです。Dendrochilum glumaceumは温室通路側に置いていますが、Bulb. echinolabiumは温室の最も奥です。3株あり全株同時開花でないことが救いです。
現在(14日)開花中のデンドロビウム6種 下写真は14日撮影のデンドロビウム6種です。このところ浜松では気温が高く、冬期は寒冷紗を巻き上げていることから、昼間の高温室内では30℃を超えて換気扇が回り湿度が低下、連日のかん水となっています。冬期は本来、植替えの適期ではありませんが、この暖かさで室外での作業が捗り植替えは順調です。下写真のDen. paathii、ovipostriferumおよびigneo-niveumはトリカルネット筒に植替え後の初開花です。改版用ページもバルボフィラムとデンドロビウムの合わせて600種程の編集が終了し、現在Aerides、Vanda、Coelogyneに入りました。2005年からストックしてきた写真が、凡そ500GB あり、この中から種毎に写真を検索し、選択した写真を画像編集ソフトPhotoshopを用いて実態に沿ったトーン補正やトリミングを行い、従来の解像度版と高解像度版の2組を同時に作成しています。改版ページサンプルは当歳月記でこれまで数種類を紹介してきましたが、栽培者の視点からの花の多様なフォーム、前面だけでなく側面、リップ拡大画像、株、花寸法、などをセットにした情報と、さらに種毎に実栽培に基づく栽培専用ページにリンクできる構成とすることで、海外を含めこれまで見られない新しい情報モデルを提供すべく取り組んでいるところです。
バルボフィラムに見る植え替えからのその後 前回の植付けあるいは植替えから現在(2月11日)までの、栽培を経て変化したバルボフィラム4種の様態を撮影してみました。写真の上段はそれぞれ左からBulb. bandischii, translucidum, williamsiiおよび callichromaです。上段画像下の数字は撮影した年/月です。写真下段は上段のそれぞれのバルボフィラムの現在の様態です。写真左は40㎝長の炭化コルクに取り付けた希少種Bulb. bandischii,で、昨年4月にミズゴケのみを洗い流し、そのまま新しいミズゴケに替えた時の画像です。下段が昨日撮影した現在の状況で、この10か月間に全ての株で新たに3バルブ増え、すでにコルクをはみ出し支持材の交換が必要となっています。このことから上段写真のように先端のバルブからの伸びしろが10㎝前後では僅か1年程で不足になることを示しています。右隣の新種Bulb. translucidumは、上段がそれまでの支持材(主に30㎝杉皮板)から、かなり長い60㎝炭化コルクに植え替えたときの写真で、下段が現在の状態です。支持材の5-4割程を伸びしろ分として設けましたが、この種も10か月程で、半数の株の先端が支持材の上部に迫っています。その右はミンダナオ島中温タイプBulb. williamsiiです。1年3か月が経ち、現在株の先端部が支持材の上端に達しようとしていますが、伸長だけでなく、脇芽からの分岐が盛んで上写真に比べて茂っていることが分かります。右写真のニューギニア・クールタイプBulb. callichromaは2年3ヶ月が経過したため、今週5株程をそれまでの45㎝長から60㎝炭化コルクに植え替えした写真です。上段の52㎝長ブロックバークはそのままです。そのためブロックバークでの株の先端部は、昨年から空中へ飛び出し上写真から3バルブ増え、20㎝程伸長しています。
このように、リゾーム(根茎)が比較的長く伸びるバルボフィラムの植替えでは、株サイズの1/2から同じほどの、伸びしろ分を持つ支持材が必要です。当歳月記で、しばしば植え替え直後の画像を公開してきましたが、多くの趣味家は、伸びしろスペースが異様に広いことに驚いたのではと思います。しかし栽培に問題がなければ、数㎝のリゾームを持つ種の多くは3年程で倍近い長さに伸長します。この特性はリゾームの短い種とは異なります。 一方で属種や、それぞれの種の成長度合に関わらず、植替え(あるいは植付け材の交換)は、通常2年内に行うことが重要です。当サイトではデンドロビウムにおいても炭化コルクを使用した場合、上写真と同様の広い伸びしろ空間を設けて植えつけています。この目的は、炭化コルクは乾燥し易く、取付材の保水量を増すためと、バルボフィラムではリゾームの伸長方向に伸びしろ分を広く設けるのに対し、デンドロビウムを垂直板や筒にとりつける場合には、根が湿度に対して正屈性(湿度の高い方に向かって伸長する)をもつことから支持材の下部を広くします。結果、株の取付位置は取付材の中央あるいはやや上部となります。当サイトでは、2013年より炭化コルクを使用しており、当初は株サイズに合わせてコルクのサイズは25-30㎝長としていましたが、現在ではミニバルブ種を除き、上記のような理由(保水量と、リゾームあるいは根の伸びしろ面積の確保)から、ほぼ全ての種で35㎝以上となっています。 では60㎝以上になったバルボフィラムはどうするかの問題がやがて生じます。天井が高く広い温室があれば兎も角、限られた空間を効率的に使用するためには、ランの支持材としては60㎝は限界に近い長さです。室内温室では尚の事です。この場合は株分けしかありません。この際、葉付バルブを4バルブ以上、葉の少ないバルブでは葉無しバルブが3バルブ以上プラス葉付2バルブ以上を1株の目安として切断します。こうした切断は作落ちのリスクを避けるため、切断してからそのまま半年程栽培してから植替えます。もし取外し直後に株分けの切断を行うのであれば、病害防除処理(農薬散布)が必要となります。 現在開花中のバルボフィラム18種 この時期は例年、バルボフィラムcirrhopetalum節(Bulb. makoyanum, mastersianumなど) の開花が多く見られます。下写真は先月末から、現在(5日)開花中のバルボフィラムです。
冬期の栽培 ラン栽培に関するネットや著作物等にはいずれも冬期の栽培指針として、新芽を確認するまでは、かん水を減らして乾燥気味にすると書かれています。最近ではそれに加えて’しかし長く乾燥させてはいけない’との記載も多くなりました。しばしば取り上げていますが、当サイトではこの一律的な抽象的表現にはいささか違和感を覚え、かん水頻度は四季に依存するものではなく、、あくまで株の状態、根(根冠)や新芽の様態を常に観察し、それらが動いて(伸長して)いる限り、通常のかん水を続けています。国内温室では冬期も成長を続ける種は少なくありません。冬期にかん水頻度を少なくすべき背景は、温室内でも18℃を下まわる温度低下と、窓を閉めて湿度が高くなることから、根周りの乾燥が遅くなり、長く湿り具合が続くことで、かん水は2-3日に一度で十分となるからで、乾燥気味な状態をつくりだすことが株の維持に適しているのではありません。当サイトでは、高温室は通年で15℃以上を保っており、四季に関わらず根周りは常に湿った状態(指の甲でミズゴケを触り、指に水が付く程でなく、湿りを感じる)を確保し、完全乾燥は一日たりともさせません。栽培を始めた頃、市販の栽培本を読んで、’完全に乾燥をしてから、たっぷりの水を与える’といった解説に従うことで、どれほど多くのランを失ったことか。温室では、例えば暖房器や換気扇に近い場所では、植付け材によっては1日で根周りが乾燥することもあり、注意すべきことは同じ温室でも場所によって環境が異なることです。一方で、高温タイプ種が15℃以下に置かれ生理機能が低下した状況で、根周りが長くびしょ濡れ状態が続けば、やがて枯れることにもなります。これを避けるには栽培者の環境に合った、そうならないための植込み材やポットの選択が必要です。ヘゴやコルクなど板状支持材では過剰な水は流れ落ち、過かん水に気を遣う必要がない反面、板材は晩春から早秋までは乾燥しがちで、根周りの乾湿の急激な変化が繰り返されると株は弱体化します。こうした期間でも長く湿った状態を維持するには植付け材の質と量が決め手となります。このように栽培は一筋縄ではいきません。だだ冬期において求められるのは、特に株の根周りを、ぐしょ濡れではなく、湿った状態を如何に長く維持できるかの工夫であって、乾燥させることではありません。 Dendrobium pendulum 一昨年の全日本蘭協会サンシャインラン展にて中国四川省ラン園から入手したDen. pendulumが開花しています。4株を得て、その内3株を同年の東京ドームと蘭友会サンシャインラン展で販売し、残る最も小さい1株を栽培していました。現地からの発送や、5日間の展示環境に置かれたためか、入手後1年間は作落ちが見られたものの、何とか乗り切り、今月入手後初の開花となりました。初花のため2輪と輪花数は少ないものの、下写真右に見られるように新芽も発生しており、2年後には多輪花が得られるものと期待しています。花は同節のDen. crystallinumに似ていますが、本種はDen. rindjanienseに見られる数珠のような疑似バルブの形状が特徴です。半立ち性のため炭化コルクを支持材とした高温環境での栽培です。本種も細い根がコルクから多数張り出しており、このままでは根冠が枯れ、これ以上の株サイズは期待できないため、花後に根張り空間の広いトリカルネット筒に植え替える予定です。
現在(3日)開花中のデンドロビウム3種 現在開花中のDen. sp aff. endertii、Den. leporinum semi-alba及びDen. spectabileを本日(3日)撮影しました。Den. sp aff. enderitiiは3年前にスラウエシ島Den. spとして入手した種名不詳種です。Den. leporinum semi-albaは昨年末に開花した株で、Spatulata節の多くは花寿命が1ヶ月半から2ヶ月程と長く、本種も1ヶ月を超えて開花が続いています。Den. spectabileは毎年この時期に開花しています。本種の花姿は何度見ても不思議です。それぞれの種について改版用ページへのリンクも下記に記載しました。Den. leporinumはsemi-albaとの比較参考用です。Den. sp aff. enderitii Den. leporinum semi-alba Den. leporinum Den. spectabile
現在(1日)開花中の花サイズの大きなバルボフィラム3種 昨年夏から秋にかけて温室のレイアウト変更の影響か、バルボフィラムの開花が盛んで、これまで数年開花のなかった種も開花をしています。そうした中で花サイズも一回り大きくなっているようで、昨年末にBulb. echinolabiumやlongisepalumを取り上げました。今回は先月末から現在開花している花サイズの大きな3種を選んでみました。上段はBulb. arfakianumのgiantタイプとも云われる種で、同時に開花中のBulb. grandiflorum グリーンタイプと並べて昨日撮影しました。このグリーンタイプも大型の花で知られていますが、それよりも一回り大きなことが分かります。Bulb. arfakianumはorchidspecies.comでは横幅が2.2㎝と記載される一方でページ内リンクのAnother Angleに見られるドーサルセパルの背面フォームからは下写真の花株と同種のようであり、しかし下写真の花サイズは5cm以上の横幅と余りに違い過ぎ、サイズからは同節のBulb. grandiflorumとも考えられますが、こちらとも花フォームに違和感があります。おそらく別種と思われます。当サイトでは一昨年のサンシャインや東京ドームで、グリーンタイプと同額の3,000円(花付4,000円)で販売しましたが、今回の記載のため本種のマーケット情報を調べていたところ、国内では15,000円の価格が見られ驚きました。本種はインドネシアからマレーシア経由で入手した株です。先月に同じHyalosema節のマルク諸島生息のBulb. antenniferumも開花しましたが、こちらもドーサルセパルが13㎝もありました。(後述:Bulb. grandiflorum greenはBulb. sp aff. fritillariflorumに、またBulb. arfakianum giantはBulb. fritillariflorumに改名しました。)
下段写真左はBulb. blumeiです。写真の株は4年ほど前にキャメロンハイランドで、園主から一般種と比べかなり大きな花をスマホで見せて頂き、5株程を持ち帰ったものです。園主が、写真程には中々大きくならないが、栽培環境でサイズは大きく変わるようだと話されていました。その後、浜松で常連さんが2株ほど購入されましたが、やはり大輪にはならないとの報告がありました。当サイトでも2年間ほどはBulb. blumeiやmaxillareと同じ5㎝程でしたが、徐々に大きな花が咲くようになり、昨年のレイアウト変更で輝度が上がり、かん水もムラなく当たるようになったためか、今年の開花では13㎝となりました。左写真で小さい方の花はフィリピンPalawan諸島からのBulb. blumeiです。それぞれのサイズの違いがよく分かります。 写真中央はBulb. makoyanumです。orchidspecies.comに記載のサイズ1.5インチ(3.75㎝)は、放射線状に並んだ花の一つ(ラテラルセパル)の長さかと思いますが、今回開花の花は円形に開いた直径が、写真が示すように14㎝で、当サイトでのこれまでの最長記録となりました。それよりも気になるのはorchidspecies.comのトップページの花と、ページ内のリンクFlowerの画像との違いです。こうしたBulb. makoyanumの花形状の違いは多くのサイトでも見られます。本種はフィリピン生息種でフィリピン現地で扱う本種の花は、糸あるいは針形の極細(2mm)であり、一方、ラテラルセパルがやや幅広の形状は昨年11月歳月記「Bulbophyllum Cirrhopetalum節の似た者同士の違い」に幾つか取り上げたように別種ではないかと思います。 右写真はNS(自然体)14㎝長のBulb. nasseriです。ラテラルセパルが非常に長くなる株も1株栽培していますが、写真の株はそれとは別株です。これまで一般の縦幅12㎝前後の花と同株で、今回のサイズの変化は前記したBulb. blumeiと同様に栽培環境によるものと思われます。現在15株程が開花しており、入荷時には葉がやや濃緑色であったことから低輝度で栽培していたものの、温室のレイアウト変更で高輝度となったことが影響したと考えています。
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