6月
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Bulb. amplebracteatum Maluku | Bulb. carunculatum Sulawesi | Bulb. orthoglossum Mindanao |
現在開花中のバルボフィラムBulb. gracillimumとデンドロキラムDend. woodianum North Luzon
Bulb. gracillimumと、これまでBulb. spとして取り扱っていたフィリピンルソン島北部生息のデンドロキラムが現在開花しています。前者は多様なフォームがあり、orchidspecies.comの本種のページにも多数の画像を見ることができます。そのページの解説文が "I love this Bulbophyllum, picture doesn't do it justice.."で始まるのには、つい笑ってしまいました。この筆者は本当にこの種が好きなようです。Bulb. gracillimum | Dend. woodianum North Luzon |
似た者同士のバルボフィラム4種
下写真のバルボフィラム4種が現在(25日)開花中です。それぞれは、花色がえんじ(暗赤)と黄色である点を除き形状が似ていることと、開花は通年であり栽培環境も同じ高温タイプです。それぞれの個体差の範囲を考えると、同定判断が難しい花もありミクロな形状を比較しなければならないことがしばしば生じます。しかし、こうした類似種の比較同定に必要な情報は、現在のネット検索による殆どのサイトで得られません。すなわち種それぞれに詳細な形状画像が必要となります。そこで現在進めている改版予定のページでは、こうした問題に対処すべく多くの種で極力詳細画像を含めており、下記種については種名リンク先の改版予定ページに参考例を掲載しました。Bulb. nasica | Bulb. longicaudatum | Bulb. sp aff. nasica yellow | Bulb. sp aff. (sp17) |
現在開花中の花15種
25日現在開花中の花を15種撮影しました。昨年の開花時期と比べると1か月前後の差が見られる種があるものの、ほぼ例年通りの開花です。画像の種名で太文字は2000年以降に登録された新種です。Den. reypimentelii Bukidnon Mindanao | Den. anthrene Borneo | Den. punbatuense Sabah Borneo |
Den. tiongii Prov.Aurora Luzon | Den. klabatense Sulawesi | Den. niveobarbatum Bukidnon Mindanao |
Den. dianae bicolor(left), yellow(center), flava(right) Kalimantan Borneo | ||
Den. uniflorum aff. alba Borneo | Phal. bellina wild Borneo | Phal. maculata wild Borneo |
Cym. ensifolium subsp. hamatodes Bukidnon Mindanao | Coel. sp aff. swaniana Palawan | Paraphal. serpentilingua Borneo |
初めて見るBulbophyllum contortisepalum solid redフォーム
本日(16日)、中温室においてBulb. contortisepalumが開花しており、その花色を見て驚きました。本種はパプアニューギニア生息種で、長いラテラル・セパルが絡み合った形状が特徴です。マーケットでの一般フォームのラテラル・セパルは黄色ですが、稀にセパルの基部が赤であったり、灰色あるいは緑がかった色なども見られます。しかしこれらフォームのいずれも、セパルの中央から先端部は白色か薄黄色のツートンカラーです。Bulb. contortisepalum solid red form | Bulb. contortisepalum red |
Phalaenopsis sanderiana
現在、Phal. sanderianaが高温室ではalbaタイプ、中温室では濃いフクシア色(ピンクと赤紫色の中間色)の花がそれぞれ咲いています。albaタイプは一見して、Phal. amabilisやaphroditeと何か違うのかと思われるかも知れませんが、葉のカラーフォームやリップの基部にあるカルス形状(Lateral teeth)がユニークで、その違いが分かります。下写真中央のalba株はフィリピンラン協会の前会長V. Goさんから直接入手したものです。以前にも指摘しましたが、本種は主にミンダナオ島に生息しており、現在の状況は分かりませんが、4-5年前にはフィリピンの幾つかの2次業者からalbaフォームの野生株が入手できました。果たして数万に1株出るかどうかのalbaフォームがそれほど出回ることは考えにくく、胡蝶蘭sandeianaのページに記載したようなPhal. amabilis complexの進化の中で、カルス形状に最も近いPhal. aphroditeから分離したもので、Phal. sanderianaとは異なる別種ではないかと思っています。Phal. sanderiana fuchsia color | Phal. sanderiana f. alba | Phal. sanderiana callus |
現在開花中の2010年代に発見(発表)の新種バルボフィラム2点
下写真左のBulbophyllum polyflorum(旧名:Cirrhopetalum multiflorum)は2011年、右のBulbophyllum translucidumは2016年発表の、共にフィリピン固有種です。当サイトではいずれも2016年に入荷し、サンシャインや東京ドームラン展に3,000円程で出品してきました。現在はこの価格では販売できないほど前者は入手難、後者は大株になり、それぞれ6株と20株を栽培中です。国際マーケット情報は、ネット上では殆ど見当たりません。Bulb. polyflorum(Nueva Vizcaya Luzon) | Bulb. translucidum(Leyte) |
Bulbophyllum ocellatumに似た新種あるいは変種?
昨日(8日)、ラベル名Bulb. ocellatumの中に、これまでに見られない花が咲いていました。こげ茶色したペタルが特徴のBulb. ocellatumは、Aurea州低地生息のフィリピン固有種とされる2011年登録の新種です。この種は成長が盛んで、当サイトではそのほとんどがクラスター株となっており、バルブ数10個を1株として換算すると、百株を超える株数となります。こうした中、5年以上前に植付けた株にBulb. ocellatumと比べ一回り小さいものの、黄色が鮮やかな花が開花していることが分かり撮影しました。Bulb. ocellatum complex (近縁種)は早朝全開し、午後からは閉じる特性があり、これまで何度か開花していたようですが気が付きませんでした。写真上段は今回開花したその花(以下、Bulb. sp aff. ocellatumとします)です。Bulb. sp aff. ocellatum | ||
Bulb. ocellatum | ||
Bulb. sp aff. (左)、Bulb. ocellatum(右) | Bulb. sp aff. ocellatum |
当サイトメールアドレス xxxx@cyberwildorchid.comについて
本日(3日)気が付いたのですが、xxxx@cyberwildorchid.comのアドレスへのメールの一部が今年1月中旬からメールソフトにて閲覧できていない状態であることに気付きました。今年に入りメール・ネーム・サーバー管理者からのセキュリティー強化のための各種の設定変更通知がしばしばあり、一部の新規設定対応が遅れていたことが原因でした。大変失礼致しました。これまでに頂いたメールは閲覧可能となりましたので、お問い合わせについては、これから対応を致します。ただオーダーに関わるお問い合わせは、当歳月記にてご説明しておりますように、EMSが再開できるまで現在販売を休止しており、再開の目途が立ち次第、本ページにてお知らせ致します。なお、@ranwild.orgのメールはこれまで通り全て拝見しております。よろしくお願い致します。Bulbophyllum basisetumとアブ
昨年10月の歳月記にBulb. basisetumを取り上げ、その中で本種はハエやアブが好きそうな匂いを放つことを報告しました。現在高温室にてこのBulb. basisetsumが開花しており、極めて稀なことですが、アブが黄色の花粉魂を背中に付けて、リップ基部の表皮をしゃぶっている光景(下写真右)に遭遇しました。この時期になると晴天日は温室の気温が上昇することから、出入り口ドアーを開けていることが多く、Bulb. echinolabiumやpapulosumと比べて、近づかないと分からない程度の匂いではあるものの、人の感知能力を超えているのでしょうか、アブを呼んだと思います。20年以上となるランの栽培で、これまでに一度(2012年10月)、日本ミツバチが花粉魂を付けてDen. albertesiiの間を飛び交っていたのを見て以来2度目となる、10年に1度あるかないかの光景です。なにせ相手がアブなので、ヤラセの出来ない状況下で息をつめ、30㎝程まで近づいてのマクロレンズ接写撮影となりました。Bulb. basisetumはフィリピンMindanao島の生息種ですが、この匂いは虫にとっては万国共通のようで日本のアブも誘われたようです。マレーシアでのコロナ感染状況
このところマレーシアでの新規感染者数は先月末で1日当たり9,000人を超え、人口当たりではインドを抜く勢いで急増しています。今月から必要不可欠な行動を除き、社会・経済活動を一斉に禁止するロックダウンが始まりました。1年前の6月の当歳月記には、日本からの渡航は1年近くは無理であろうけれども、秋頃にはEMSが可能になるのではと期待していましたが、さらに1年以上先まで見通しが立たなくなってしまいました。原種販売で生計を立てている現地ラン園は大変でしょうが、コロナが沈静化し再びランの出荷が出来る日まで、この難局をなんとか乗り切ってもらいたいものです。