3月
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Bulb. cercanthum Borneo | Coel. usitana Mindanao |
現在開花中のミンダナオ島Bukidnon生息の4種
本日(28日)早朝、開花中のミンダナオ島生息の新種4種を撮影しました。左はDen. deleoniiです。3年に及ぶ栽培を通し、本種についてはDen. sanderae v. majorとの地域差の範囲内、すなわちDen. sanderae v. deleoniiの位置付けが妥当で、Den. sanderaeと別種とするだけの特徴が見つかりません。隣はDen. schettleriで、一つの茎(疑似バルブ)に20輪程が同時開花しています。15株程を栽培しており、いずれも現在開花最盛期となっています。次はDen. boosiiです。本種にとって春は季節外れの開花で、最盛期は浜松温室では晩秋から冬期となっています。右はBulb. inacootesiiです。多くの株で開花中です。Den. deleonii | Den. schettleri | Den. boosii | Bulb. inacootesii |
Dendrobium ovipostriferumに見る変異フォーム
ボルネオ島生息のDen. ovipostriferumはかってDen. deareiの地域種と記載ミスされ、マーケットでも今だにこの影響が僅かに見られます。その経緯はorchidspecies.comに記載されています。当サイトで今年一月、 改版予定ページで本種を紹介しましたが、2013年に初開花した本種の変異フォームは紹介していませんでした。今回トリカルネット筒に植付けた株からこの変異フォームが再開花したため下写真に取り上げました。特徴は前記改版ページリンク先の画像と比較すると分かりますが、ラテラルセパルが一般フォームは全体が白色ですが、変異フォームは白とオレンジ色とが2分化しており、spur(花の後ろに伸びた突起部分)も白色ではなくオレンジ色であることが異なります。リップの色も一般種と比べ、赤味が強く感じます。このようなフォームは頻繁に現れるものかどうかは分かりませんが、これまでの30株程の栽培では本種のみのようです。左写真は本日(28日)早朝、右は2013年7月撮影です。Den. ovipostriferum |
Bulbophyllum incisilabrum
スラウエシ島標高900-1,200mのコケ林に生息する、2003年登録のBulb. incisilabrumが開花しています。今回本種を取り上げたのは、バルボフィラムをポット植えにするのは小型種を除いて余りなく、多くは炭化コルク、ヘゴ板およびバスケットですが、本種については珍しくプラスチックポットにバークミックスで植付け、今回開花したためです。面白いのは、バルブは水平方向に増殖するのですが、花茎はバルブとほぼ同じ長さでバルブと並んで伸び、4㎝程の複数の花がそれぞれポットの外側を向いて咲く姿勢です。下写真右はポット植えの開花写真です。本種は現在、炭化コルク、ブロックバークと、今回開花のポットの3種にそれぞれ植付けて栽培しており、この中で最も成長(新芽の発生と根張り)が良いはブロックバークで、次がポットとなっており、炭化コルクは今一つです。このためコストは上がるものの余っているブロックバークに間もなく植替え予定です。Bulb. incisilabrum Sulawesi |
現在編集中のセロジネ改版ページ用のサムネール
昨年夏から進めている改版ページ作業で、セロジネ属の整理がほぼ終了しました。これまでのページのセロジネは僅か6種の紹介でしたが、新ページでは下のサムネール用画像の43種となる予定です。これらは全て当サイトが栽培を通して開花撮影した種です。一方、未開花や種名不詳spとして入荷した株で、今だに開花のない種(palawanenseやvanoverberghiiなど)がセロジネでは14種ほどあり、これらは開花し種名が同定でき次第、改版ページに順次追加する予定です。下画像の殆どは2016年からサンシャインおよび東京ドームラン展にて販売しています。これまで扱ったセロジネは50種程となり、現時点においても浜松温室では400株程を栽培中です。COVID19が落着きEMSの再開を待って新たに50種、これまでと合わせて100種を目標に収集し販売する計画です。asperata |
asperata_aff |
bicamerata |
bilamellata |
candoonensis |
celebensis |
chloropthera |
clemensii |
cuprea |
dayana |
eberhardtii |
exalata |
fimbriata |
fuscescens |
hirtella |
kinabaluensis |
lentiginosa |
longifoliae |
longifoliae_aff |
longirachis |
marmorata |
marthae |
merrillii |
monilirachis |
moultonii |
multiflora |
odoardi |
pandurata |
rhabdobulbon |
rochusseni |
rubrolanata |
salvaneraniana |
sp1 |
sp2 |
sparsa |
swaniana_my |
swaniana_ph |
tomentosa |
usitana |
venusta |
verrucosa |
viscosa |
xyrekes |
現在(19日)開花中の花33種
桜の開花を迎えたこの時期は、多くの種でも開花が始まっています。Bulb. denophyllum New Guinea | Bulb. inacootesii Mindanao | Bulb. sp New Guinea |
Bulb. fascinator Mindanao | Bulb. whitfordii Palawan | Bulb. longicaudatum New Guinea |
Bulb. gracillinum Borneo | Bulb. cleistogamum Malaysia | Bulb. sp aff. nasica yellow New Guinea |
Bulb. brienianum Borneo | Bulb. mearnsii Mindanao | Bulb. sp aff. trigonosepalum Mindanao |
Den. ellipsophyllum orange Palawan | Den. carinatum (robinsonii) Luzon | Den. treubii Moluccas |
Den. floresianm flava Flores | Den. hymenophyllum green Sumatra | Den. hymenophyllum green spotSumatra |
Den. sylvanum Papua New Guinea | Den. strebloceras Maluku | Den. sanderae v. major Luzon |
Den. rindjaniense Lombok | Den. aurantiflammeum Borneo | |
Den. primulinum Thailand | Vanda helvola alba Sumatra | Nepenthesis truncata Mindanao 35cm long |
Den. sanguinolentum Borneo | Den. annae Sumatra | Den. acerosum Borneo |
Den. tiongii Luzon | Phal. hieroglyphica Leyte | Phal. lueddemanniana Mindanao |
Dendrobium anosmumの開花
19日現在Den. anosmumが開花中です。本種は多様な名前が付いており、シノニム(同種異名)にはDen. superbumがあります。また変種として、var. dearei (albaフォーム)と、var. huttonii (semi-albaフォーム)がよく知られており、それぞれがカラーフォームを特徴とします。一方、Den. anosmum var. giganteum 名もあり、またシノニムのDen. superbumにも var. giganteum名が見られます。種名登録の経緯は兎も角、Den. anosmum var. giganteumがどのようなフォームを持つのか、変種名の’巨大’と云う意味からは、Den. anosmumの一般サイズがorchidspecies..comの記載によると、5cm - 10cmサイズ(左右ペタル間横幅と思われる)であり、この数値に対し染色体数4倍体相当の1.5倍から 2倍程の花が咲くのかとも思います。すなわち15㎝ - 20cmとなります。しかしネット上のどのサイトにも、このgiganteumとされる花サイズの定義が見当たりません。謂わば、ただ大きいと云ったDen. tobaenseの付帯名giganteumと同じです。Den. anosmum |
今週(7 - 10日)開花中の27種を撮影しました。
Den. ovipostoriferum Borneo | Den. cymboglossum Borneo | Den. igneoniveum Sumatra |
Den. stratiotes New Guinea | Den. leoporinum semialba Mouluccas | Den. lawesii white New Guinea |
Den. annemariae Mindanao | Den. furcatum Sulawesi | Den. trichostomum New Guinea |
Den. niveobarbatum Mindanao | Den. consanguineum Mouluccas | Den. spectabile Papua New Guinea |
Den. cinnabarinum angustitepalum Borneo | Den. lambii Borneo | Den. annae Sumatra |
Den. moquetteanum alba Borneo | Vanda tricolor suavis Java | Vanda foetida Sumatra |
Coel. sparsa Luzon | Coel. celebensis Sulawesi | Phal. lueddemanniana Mindanao |
Bulb. nitidum aff. Papua New Guinea | Bulb. isabellinum Borneo | Bulb. sulawesii Sulawesi |
Bulb. harbrotinum Borneo | Bulb. contortisepalum green New Guinea | Pleurothallis truncata Ecuador |
ミズゴケが入手できなくなる日が来る?
昨年末からミズゴケについて、ラン資材業者のホームページでは’売り切れ’や’在庫なし’の記述が目に付くようになりました。国内の栽培者が利用するミズゴケは、ニュージーランド産が多いと思いますが、資材業者からの聞き伝えによると今後1年近く入荷が難しくなるそうです。COVID19下の市場シフトか、輸出管理によるものかは不明ですが、ラン栽培者にとりミズゴケが利用できなくなることは深刻な事態です。 当サイトにとっても植替えは日常で、バークやクリプトモスなどと共に、40 - 50日毎に3Aあるいは4A レベルのニュージーランド産ミズゴケ3㎏を消費しており、これが止まれば大問題となります。現時点では、合わせて24㎏のミズゴケを2業者に発注予約しており、その内半数は今週にも入荷する予定ですが、その後は不明で、状況によっては何らかの対策を考えなくてはなりません。バークやクリプトモスで一部は代用できるものの、湿度の低い国内環境では、ミズゴケのようにどの属種にも万能とは云えず、湿度管理が困難な趣味家にとっては、保水性や植付け易さで、ミズゴケに勝る植込み材は他にありません。COVID19に次いで悩みが一つ増えました。Coelogyne kinabaluensisの植替え
Coel. knabaluensisが炭化コルクへの植付けから3年経過しており植替えを行いました。下写真がそのプロセスを示した画像です。画像1では、先端部のバルブは35㎝長コルクからはみ出しています。2はコルク表面のミズゴケを強いシャワーで洗い流した状態です。3は根周りを拡大した画像で、根がコルクにしっかりと活着していることが分かります。このことから本種は炭化コルクを嫌う様子は見られません。こうした板状支持材からの植替えで最も難しいのは、多くの根の先端部が支持材内部に入り込んでおり、根を如何に極力切断することなく剥がすかです。コルクを崩しながら根を取り出すことになります。当サイトでの、このために使用する道具は刃の長いゾーリンゲン製のハサミ一種類のみです。4はコルクから取り外した株です。根を剥がしたと云うより、外したと表現した方がよいほど、2の画像と比較して根のほとんどは切れることなく原形のまま剥がれています。こうしたワザも、これまで数えきれない程の失敗を重ねてきた修練の結果です。支持材から取り外した株には必ず当サイトでは、バリダシンとタチガレエースの混合液を根周りにスプレーします。1:: 取り外し前 | 2: 古いミズゴケを取り除いた状態 | 3: 左の根周りの拡大画像 | 4: コルクから取外し後の状態 |
5: 取外した根の裏面 | 6: 60㎝長コルクへの取付位置決め | 7: 新しいミズゴケでの植付け | 8: 別株(右)の植替え例 |
Phalaenopsisの開花
Phal. schillerianaが今月に入り開花を始めました。下写真は現在開花中の蝶蘭原種です。ここ数年胡蝶蘭の入荷はPhalaenopsis節(amabilis, schillelriana, philippinensisなど)を除き縮小してきたため、在庫も少なくなっており、COVID19の沈静化後には 改めて全種を収集する予定です。胡蝶蘭は海外での人脈やルートが確立しているため入手の苦労は少ないと思います。一方、セロジネも本格的に収集を始める予定です。現在の当サイトのページには、セロジネは僅か6種の記載しかなく、これまで実質4年間で扱った40種程の内、当サイトにて開花した37種類を現在作業中の改版ページに含めました。今後はバルボフィラムやデンドロビウムは新種を中心に、胡蝶蘭は全種を、またセロジネは多輪花、香りと共に、栽培し易い種が多いことから、まずは50種を目標に、EMSの再開が始まり次第、一気に収集したいと考えています。Phal. schilleriana Real Quezon Philippines | ||
Phal. amabilis Borneo | Phal. hierglyphica Leyte | Phal. lamelligera Borneo |