10月Aerides odorata 浜松での10月開花のAeridesです。Aerides odorataは中国からニューギニアまで東南アジアに広く生息しますが、下写真は全てフィリピンからのAeridesでそれぞれミンダナオ島およびCalayan諸島生息株です。Aerides lawrenciaeおよびAerides quinquevulneraはAerides odorataの変種の一つとの説があり写真をつけました。
最近の栽培事情 新入荷の原種を植え付ける作業が続いています。こうした中、いつも頭を悩ますのはそれぞれの種に対してどの植え付け材を選択すべきかです。胡蝶蘭は、特に野生栽培株である場合は7割以上が下垂系であり、取付面が垂直となる板(コルク、ヘゴ板、杉板、炭化コルクなど)となります。Phal. cornu-cerviグループ、またPhal. lueddemannianaグループを除いて、下垂タイプを無理に立ち性と同じようにポットに植えつければ葉は成長に伴いベンチの上に垂れて擦れ傷を受けます。またPhal. javanica、inscriptiosinensis、.appendiculataなどでは葉下で開花し、一方、Phal. mariaeやPhal. celebensisなどは長く下垂した、あるいは弓なりの花茎を伸ばすため、花が床面と接してしまいます。最も大きな問題はポット植えではかん水によって頂芽に水が溜まり細菌性の病気を誘発するリスクが高くなることです。一方、バルボフィラムではその多くが上方あるいは水平面上では一方向にリゾームを伸ばし成長する性質があり、こちらもポット植えは適しません。無理やりバスケットやポットの外周壁でリゾームの進行を止め、リゾームを曲げてポット内に収めても自然界とは違った景色になります。しかし胡蝶蘭やバルボフィラムについては、垂直取り付け板とミズゴケの組み合わせで温度と湿度を間違えなければ、ほとんどの種で問題なく成長します。問題はデンドロビウムです。 特に栽培家を悩ますのはFormosae節のデンドロビウムです。Den. cruentum、draconis、igneoniveum、ovipostoriferum、wattiiなど、特にDen. ayubii、tobaense、toppiorum、torajaenseなど中温系のデンドロビウムは栽培が難しく、多くは入手して1年、長くて2年程からじり貧状態となり、根が黒く変色し新芽も出ずやがて枯れて行きます。その原因の大半は、生息域が亜熱帯モンスーン気候にあって、こうした環境の標高差による温度だけでなく、雨期、乾期のサイクルに順じた種の生理的な特性に人工栽培では十分対応し切れないことによります。まして限られた温室空間の中には熱帯雨林や高山系の種も止む無く同居することも多く、全てを健全な状態で育成管理するには限界があります。 会津から浜松に移動してから5年が経過します。この間、特にFormosae節には試行錯誤の栽培が余儀なくされました。一つの興味ある問題は、会津では上記の種のうち、低地(中 - 高温)タイプが非常に上手く成長をしていたことです。会津大学の近くの知人の温室でしたが、それを管理する人はランとはそれまで全く縁のない人で、本サイトのアドバイスは植え込み材が乾いてきたら水をあげる、決して長い間びしょ濡れ状態にはしないこと程度で、それを実行していたに過ぎません。しかし本サイトのDen. ovioistruferynのページ画像に見られるように花が乱立する程、素焼き鉢とミズゴケ植えで毎年開花させていました。Den. tobaenseも然りです。この画像は浜松に移して1年以内に撮影したもので、ここまで育て上げたのは会津での養生によるものです。 ではなぜ会津では上手く育ち、浜松ではこれほど苦労するのかが過去数年の課題でした。ミズゴケ、クリプトモス、バーク、ヘゴチップおよびそれらのミックスコンポスト、鉢は素焼きからプラスチック、スリット鉢まで多様な組み合わせを試みましたが精々現状維持です。これらの種には過かん水を避けることは分っているのですが、その頻度は環境の温度や湿度に大きく依存するため、定量値を見極めるのは至難と言わざるを得ません。会津では浜松と比べ、年間平均温度が5℃ほど低く、また1日の温度変化は盆地のため大きく、温室内では夏季の昼間は浜松同様に35℃程の高温になるものの、熱帯夜は毎年数日しかありません。一方、冬は暖房費を節約するため灯油ヒータの温度を15℃としたこと。12月末から2月までは雪に囲まれる地域であり、昼間の太陽光による20℃弱までの上昇はあってもそれ以上にはならないという環境の中です。 そこに何らかのヒントがあると思われるのですが、会津とは異なり浜松では多様な地域からの多種多様なランを同居させており、そうした環境を解明できたとしても一元的に再現することは現実的ではありません。数千種のランを栽培する以上、すべのランに対してかん水頻度を等しく行うこと、精々その量は場所によって気持多いか少ないかの程度までとする栽培方法が条件で、これまで2-3年間、Formosae節を中心にそれぞれの種に対してポット植えではコンポストを2種類、またヘゴ板あるいは杉皮板の組み合わせを行い、温度を種に応じて、高、中、低温の中から2つの温度環境にそれぞれを配置して種の状態(根、葉、新芽を中心)を観察してきました。 こうして特に中温から低温のすべてのFormosae種は垂直板(ヘゴ板や炭化コルクなど)あるいは筒に取り付けることが最善との結論に至りました。この判断は現地にて入荷した株の根張りの形状からは大小さまざまな枝に活着していた様子が見られ、全ての茎(疑似バルブ。以下茎という)の根元およびその周辺の根は空気に晒されており、新芽や新根の発生周辺には空間的障害がないことと、また前記した2年間に及ぶテスト栽培の結果を総合してのものです。自然界における着生ランであるFormosae節は例外なく、その根張りの活着状態と茎根元の配列(新しい茎と古い茎基部の成長方向)は上向きに繋がっており(すなわち根と茎の伸長方向は平行)、茎を立てる姿でポットに植えれば古い茎の根元は植え込み材の中に埋もれてしまいます。時として最も新しい茎であっても植え込みの際、株を確実にポットに安定させるためにミズゴケ等でしっかりとその根元を抑えてしまうこともあります。新しい茎から出る新芽の発生個所を植え込み材で覆うような状態では、新芽は植え込み材の中を潜って表面に現れる前に腐敗し、さらに1段古い茎からの新芽も同様な状況となります。根も全く解放された(風の流れのある)空気に触れることなく、光の届かないミズゴケやバーク等に完全に覆われた中であり、着生植物としての根の機能の一部が抑えられることも考えられ、やがて気相が小さくなると根の伸長や新根の発生も止まってしまいます。 一方、板への取り付けは自然界と同様な様態となり、全ての茎の基部は表面半分が空中に晒され、さらに一部の根も半面は板に半面は空中に晒されています。結果根の多くの面積はそれなりの風と光を浴びることになります。芽吹きも何の障害物がない空間に伸び出すことができます。7月から本格的な植え替え作業に入り、上記の理由から一部(半立ち性の種)のバスケット植えを除き、Formosae節のほとんどを炭化コルクに取り付けることにしました。この結果は良好でこれまで新根や芽が多くの株から発生しています。下写真は今回新たに植え付けた一部です。写真にはFormosae節の種と同じように長期栽培がポット植えでは難しく同じ問題を抱えるCalyptrochilus種も掲載しています。Calyptrochilus節も現在その大半を炭化コルクに植え替え中です。 過去2年間での板への植え込み栽培で得たことは、これまでポット植えで生育が芳しくなくポットから取り出したところ生きた根がすでに無く、根元全体が黒く変色している株は、板に取り付けても再生の見込みがないことです。いわゆる手遅れです。茎の根元が黄化し始めている場合も同様です。たとえ茎に葉が付いておりその周りの節間が緑色であっても、高芽の出る可能性は残るものの根と葉との水分や栄養分の授受が途絶えている以上成長はできません。じり貧状態となります。入手した際、少なくとも1本は茎の根元が緑色していることが板取付の条件となります。また根を水に濡らして白い生きた根があれば再生できますが、黒や灰色あるいは中心柱だけの根のみとなった株は手遅れです。言い換えれば成長が今一つになってから板へ変更しようとしても、そのほとんどは再生できません。その時点ではすでに生きた根がなく茎に蓄えられた水分だけで生きており、取り付け方法の変更で解決できる問題ではなくなっているからです。 そうした背景から本サイトでは今年入荷したFormosae種から、例えば今月入荷したDen. tobaense、toppiorum、sp種など200株程は入荷時点から板への取り付けを行いました。現在は炭化コルクへの取り付けですが、これは本ページの9月で取り上げたようにコストと見栄えからです。ヘゴ板等他の素材でも問題は無いと思います。素材選択の違いはコストや見栄え以外に重要な点は栽培する環境です。特にポット植えとは異なる吊り下げ型の植え付け方法は乾燥が進むため、夜間の高湿度が必要です。それが困難な環境では保水力の高い素材が必須です。取り付け材が先にありき、ではありません。 こうした取り付けの際、水分補給のためミズゴケで根の周辺を覆ったり、株と板との間にミズゴケを挟んだりしますが、どの程度使用するかは環境に依存します。十分な湿度があれば、根を直接板の上に載せその周りだけを僅かなミズゴケで覆うことで根張りも良くなります。一方、乾燥気味な環境では板の表面全体に薄くミズゴケを敷き、その上に株を置き、さらにミズゴケで根を抑えるように覆って取り付けます。取付は海外の現地趣味家やラン園では細い糸で縛っています。本サイトでは盆栽用1mm径アルミ線を使用しています。このアルミ線は半年ほどで切れてしまいます。根張りが先か、アルミ線が切れる方が先かですが、切れる方が先であればミズゴケごと落下してしまうためその部分は新たに巻き直しています。 以上Formosae節の最近の栽培法を取り上げてみましたが、趣味家の中でFormosae種をポット栽培され、水やりには注意を払っているのだがどうもこのタイプは上手く育たないという方は上記の栽培法を参考下さい。ポイントは入手したら当初から板付け(すなわち生きた根のあるうち)とすることが重要です。
Phalaenopsis2点 下写真左は野生栽培株のPhal. appendiculata albaです。右は同じくミャンマー生息種Phal. minusです。前者は超希少種ですが、後者は実生株があると思います。しかしマーケットサイズが小さいためか入手しずらい種の一つです。
Dendrobium3点 新たに入手したデンドロビウム3点です。Den. atavusはJava島生息種で、昨年来在庫が無くなったための入荷です。Den. lowiiは根のしっかりした株を、またDen. igneo-niveumは右隣に映っているDen. strepsicerosよりも高い1mを超えるLサイズのみを数点入手しました。
Bulbophyllum sp Sumatra 下画像は今回マレーシアより入手したバルボフィラムです。左が園主から得た画像で、右は浜松での撮影です。花画像を見るとBulb. stormiiのようですがバルブが扁平で花サイズがより大きく見えます。北スマトラ島からとのことです。Dendrobium militareの不可解な点 Den. militareはマッラカ諸島の標高1,500m近辺に生息するスパチュラータ節としてはDen. hamiferumと並んで珍しい中 - 低温タイプのデンドロビウムです。この種名でorchidspecies.comを検索すると、解説ページ内のシノニムにDen. brevimentum名がでます。一方、このDen. brevimentumでorchidspecies.comを検索するとアポラム節として全く異なる種が現れます。よくある事でまたかと思えばいいのですが、問題はDen. militareの画像です。Den. militareで画像検索すると多数の花画像が表示され、大きく分けて3つのそれぞれ異なるフォームおよび形状が見られます。一つはorchidspecies.comの本種名の画像1、2つ目はbluenanta.comの画像2、3つ目はNuriyaorchidsの画像3です。本サイトでは、5年ほど前にDen. brevimentumとして入手したものをその入荷名と同じ種名でデンドロビウムのサムネイルメニューに掲載しており、その花形状は前記3つ目のサイトのトップ画像3と同じです。画像2と画像3はそれぞれが黄成分の濃淡の違いがあるものの形状は同一であり同種と思われます。一方画像1は画像2と3とは形状的に異なり別種と思われます。下写真はマレーシアより入手したDen. militareです。この写真左の花画像は本サイトが撮影したもので右の株のものです。これでカラーフォームの異なる2タイプのDen. militareが揃ったことになります。この違いは果たして地域(島)か標高によるものか株形態も若干異なる(下写真のDen. militareは株は立ち性。一方画像3のDen. brevimentumは半立ち性)ことから興味があります。
Dendrobium moquetteanum ? Den. uniflorumに似た種としてボルネオ島からのデンドロビウムspを入手しました。本サイトが撮影したこのsp種の花画像をネットで類似検索するとDen. moquetteanumが最も該当する種となります。一方、本ページの5月に取り上げたフィリピンPalawanからのDen. uniflorum-likeな種と今回の種は共にリップの色がサンディ・ブラウンで、リップのストライプフォームも似ていること、またサイズもほぼ同じです。しかしPalawan産には下写真下段に示すように同一ロット内に薄緑やサンディ・ブラウン色が現れること、またリップ側弁形状が異なり、葉形状もより細長くなっています。Distichophyllae節には前記したDen. maraiparenseを含め、ボルネオ島を中心に類似する種が多様で系統的な分類の調査研究が必要ではないかと思います。これらの種の中・高温タイプはいずれもバスケットにミズゴケあるいはミズゴケとクリプトモスミックスでよく成長します。国内でのDen. moquetteanumのマーケット情報はネットからは見当たりません。本サイトでは株サイズにより2,500-3,500円を予定しています。
Dendrobium maraiparense こちらのデンドロビウムも訪問の度に求めていたもので、今回ようやく入手ができました。キナバル山周辺の標高1,200 - 2,300mに生息するDistichophyllae節で低温タイプとなります。同節のDen. uniflorumの形状に似ていますがリップ形状が異なり、また葉はDen. uniflorumと比較し細い楕円形であることも特徴です。20株程を持ち帰り、半数を下写真にようにスリット入りプラスチック深鉢にミズゴケ・クリプトモスミックスで植え付け、また半数を炭化コルクに取り付けました。根の形状から判断すると垂直板に取り付ける方がより自然な状態と思われます。今回花画像はありませんでしたが、これまで多数のDistichophyllae節を栽培している中で個性ある株形状から判断して間違いないと思います。国内市場でのマーケット情報は見当たりません。価格は検討中ですが株サイズにより2,500 - 3,500円を予定しています。
Dendrobium heterocarpum 東南アジアに広く分布するDen. heterocarpumは広域分布のみならず標高も100mから1,800mとその生息域の多様性は他のランの中でも群を抜いています。良く知られた種で、多くのデンドロビウム愛好家が栽培されているのではと思います。価格も最近では2,000 - 3,000円ほどと手頃で、本サイトでは2,500円です。その分布の広さを考えると、現在のヒマラヤ周辺から東はベトナム、南はフィリピン、ボルネオ島、スマトラ島、Javaに至る移動の過程でそれぞれの地域固有の形態が生まれた筈で、それならば容易には入手できない地域の株を集めてみようと今年から海外ラン園に問い合わせをしていました。地域としてまず興味があるのは現在ランを代表しインドネシアの国花であるPhal. amabilisの発祥の地とされるフィリピンのPalawan諸島およびこれまで人手が加わっていなかったスマトラ島アチェ州の2か所です。前者は州外持ち出しは政府への届認可を要し、また後者は2006年以降になって流通が可能となりました。これまでこれらの地域からの本種が日本に出荷されたマーケット情報はネットからは見つかりません。 こうした中、5月にPalawan生息とされる本種が、また今回マレーシアにてスマトラ島アチェ州生息株が入手できました。下写真左の花画像はスマトラ島アチェ州のDen. heterocarpumとされる園主からの画像です。上記リンク先のorchidspecies.comのセパルペタルが白色、リップが薄黄色の一般フォームとは異なり、セパルペタル共に薄黄色です。ネットで本種を検索すると全体がこのような黄色の画像も僅かに見られることからこのフォームが一般的か希少かは現時点では分かりません。一方、Palawan産は開花画像がなく浜松での開花待ちです。通常ボルネオ島の生息種はセパルペタルが白でリップが黄色であるため地理学的にPalawanも同じではないかと推測しています。 右画像のそれぞれの株は左がアチェ、右がPalawan産の株です。いずれも花茎の枯跡がありFS株です。特徴的な違いは疑似バルブの太さで、Palawan産はアチェ産に比べ数倍の太さです。株の大きさは生息域に多分に影響されるため、今回入手したPalawan産は低地、アチェ産はより高地ではないかと思います。今後Palawan産の開花を待ち、詳細な比較を行う予定です。なおこれらの地域からのDen. heterocarpumは一般種価格に500円プラスで販売予定です。
Dendrobium sp スマトラ島からのCalcarifera節と思われるGreen flowerのデンドロビウムです。似た花画像がAOSに見られますが種名がありません。花はかなり大きなサイズとのことです。現状情報が乏しいため花の開花を待って詳細を調査する予定です。下画像左の花および葉の画像はマレーシア園主から、右は本サイトで植え付けが終わった20株の一部で、順化が終われば数株を単体植えとします。Dendrobium violaceoflavens 西ニューギニアの生息種でリップの青色が特徴のスパチュラータ節デンドロビウムです。本種もDen. lasianthera同様に再三の発注に対し1年越しの入荷です。スパチュラータ節としては珍しくFSサイズであっても50m程の高さにしかなりません。このためスパチュラータは花は魅力的だが株の背丈が高すぎてどうも、と言う趣味家には良いと思います。背は低いものの茎は太く、葉は幅広で存在感があります。入荷が遅れた理由はスパチュラータに関してはFSサイズを条件としているためです。この種で言えばバックバルブを削除し葉付のバルブのみで、素焼き鉢で例えれば18㎝以上、すなわち7号サイズ以下には植え込みができない大きさの株でなければならないとする条件をつけています。下写真左は本サイトが撮影した花で、右はその花株を含む10株を浜松にて植え付けたた画像です。ほとんどの株で茎の直径が2㎝サイズを含みます。現在、スパチュラータは台湾を中心に多数の種が実生化されNBSで海外に出荷されていますが、こうした3-4号鉢に収まる小サイス株を3-4年育て、花を得るには相当の忍耐力が必要です。今年および今回、本種を始めDen. lasianthera、Den. antennatum、Den. hamiferum、Den. leporinum、Den. militare、Den. strepsiceros、Den. strebloceras、Den. taurinumなど多数のスパチュラータを入手してきましたが、全て開花サイズを条件としカタログ価格も全てFSサイズを対象としています。なお本サイトでは本種のFSサイズ(ベアールート)で4,000円です。
Bulbophyllum sp Bulb. lindleyanumに似た形状のバルボフィラムを入手しました。下写真左の花画像は園主から得たものです。本種は写真が示すようにBulb. lindleyanumとはセパルペタルの外周にある細毛がなくリップ形状も異なります。右写真はその株でバルブサイズはBulb. lindleyanumと比較し小さいことも特徴です。生息地は北部スマトラ島と聞いていますが種名を含め調査中です。価格は未定ですが3-4バルブ2,500円(炭化コルク付け)を予定しています。Dendrobium lasianthera マレーシア訪問の度に求めていたDen. lasiantheraが入手できました。1m以下の実生株であれば容易に入手でき価格も安いのですが、本種の開花には1mを超えることが必要で、このサイズがなかなか入手難でした。今回ホーン(ペタル)がセピアブルーの1mを優に超える株を持ち帰り、植え付けを行ったところです。現地では植え込み材に炭を用いプラスチックのバスケット植えが通例ですが、この炭が国内では入手できない(現在炭化コルク大粒を検討中)ので、スリット入りプラ鉢の15㎝径深鉢あるいは18㎝径にコルク大粒とネオソフロンLおよびゼオライトのミックスコンポストで植え付けています。これまでの栽培経験ではこのミックスコンポストかクリプトモス100%が最も成長が良い結果が得られています。下写真は今回入手した株と現地で本サイトが撮影した花です。
Bulbophyllum 4点 園主からの花画像と浜松にて植え付け前の株のそれぞれです。1,2段はsp、3,4段はそれぞれBulb. smitinandiiとBulb. venulosumです。この4点の中で最も価格的に低いのはBulb. smitinandiiで2,000円です。炭化コルクとミズゴケのコストを考えれば、株本体は1,500円程度です。一方最も高額なのは2段目のBulb. blumeiに似た形状のspでBulb. kubahenseを凌ぐ購入価格であったため、1バルブ当たり2,000円相当を予定しています。他は2,500 - 3,000円です。Dendrobium spとDendrobium spectatissimum デンドロビウム2種です。いずれも疑似バルブからはFormosae節と思われます。ボルネオ島からとのことですがspについては調査中(後記:上段の種はスマトラ島と確認しました)です。下写真がそれぞれのラン園主からの花画像と、浜松にて取り付けた株です。Den. spectatissimumはボルネオ島Sabah標高1,500m - 1,800mの生息種でクールタイプとなります。花サイズが10㎝とされますので、胡蝶蘭のPhal. amabilis並みの大きさとなります。これら2種はいずれもネットからは国内のマーケット情報が見つかりません。Den. spは4000円、Den. spectatissimumは3,000円を予定しています。それぞれの価格の内の500円相当は炭化コルクと3Aミズゴケ代です。
Vanda limbataとVanda devoogtii 赤色が鮮明なVanda limbataは良く知られていますが、マーケットでは余り見かけません。マレーシアラン園に昨年来、依頼していましたが、やっと入手したとのことで全株を持ち帰りました。上段写真左の花は本サイトが撮影したもので、右写真はこの花タイプFS株の浜松温室における栽培の様子です。本サイトではこれまで野生栽培株のVanda limbataについてはカタログ記載で2万円としています。今回の入手株はサイズが整っていることから実生栽培株と見られ、野生株価格の1/5となる4,000円で販売する予定です。一方、Vanda devoogtiiも今回のマレーシア訪問で9株を入手してきました。本種は北スラウェシ島生息種でorchidspecies.comによると、1932年の発見以来、これまで3回しか採取されておらず、極めて希少であると記載されています。しかし、5月の歳月記にも取り上げましたがフィリピン経由で4株を得(フィリピンからのEMSによる高温障害で1株のみ順化成功)、また今回はマレーシア経由でも入手できたことは偶然の幸運であったのか、果たして本当に超希少種なのか疑問になりました。確かにネット上でのマーケット情報はありませんが。いずれにしても前回8,000円としましたが、一般サイズ(下写真下段前列2株相当)で4,000円とし、大サイズ(同前列3株目)を従来価格とする予定です。写真は今回入手し、浜松温室にて撮影したVanda devoogtiiです。
Bulbophyllum croceum 今回のマレーシア訪問でBulb. croceumを20株程持ち帰りました。花は一見Bulb. vaginatumに似ていますが、サフランイエローのグラデーションが華やかで、またリゾームが長くバルブはスリムです。Java島標高1300m - 2,000mの生息種です。下写真左は園主からの写真で自然界での開花風景です。右は浜松にて炭化コルクに取り付けた株の一部です。本種は分岐が少なく直線的に成長していく性質が見られ、左写真のような自然と同じ階層的な開花景色を栽培で得るには、細長い板状の取付材が必要で、今回は炭化コルク板から切り出した棒状の60㎝ x 7cm角板に取り付けています。本種名と価格での検索では国内マーケット情報は見つかりませんでした。3バルブ・ベアールート(株単体)で2,500円の予定です。
Dendrobium rindjanienseとDendrobium hekouense この2つのデンドロビウムは最近耳にするようになったもので市場実績はあまり見られません。Den, rindianienseは5月の歳月記にも取り上げました。インドネシアLomok島の標高2,000mに生息し、数珠玉を繋げたようなバルブにピンク色の花をつける変わった形状が特徴です。一方Den. hokouneseは2011年の登録で比較的新しく、中国雲南省からベトナムの標高1,000m - 2,000mの生息です。小さな皺だらけの丸い疑似バルブが特徴でバルブの割には比較的大きな花をつけます。下がそれぞれの画像で上段のDen. rindjanienseの左写真は植え付け待ちの株で、右は植え付け後の一部です。本種は殆んどの疑似バルブが落葉形態で入荷することが多いようですが、写真に見られるように殆んどの株で多数の新芽が成長しています。4月ロットの栽培経験から取付はポットではなく、炭化コルクにミズゴケとしました。一方、下段のDen. hekouense左は31株ある右の一つの拡大画像です。こちらも根や株の形態からポット植えは適さないと判断し、ヘゴ板にミズゴケの植え付けです。全ての株に新芽が見られます。前者は6月のサンシャインラン展に4,000円で販売しました。後者は、国内で2-3のラン園が16,000円程で販売していますが本サイトではDen. rindjanienseおよびDen. hekounenseともにそれぞれ4,000円を予定しています。
マレーシア訪問 先週からマレーシアを訪問し、野生栽培株を中心に600を超える株を持ち帰りました。当初はこの時期、スマトラ島を訪問予定でしたが現地コレクターの確定とルートへの対応にさらに時間が必要とのことでした。そうしたことから今回の訪問は、従来と同様にクアラルンプールを集配拠点として主に北スマトラ島、ボルネオ島、スラウェシ島およびニューギニア生息の種が中心となり、新種、種名不明株、在庫補填株などそれぞれが3割程を占めています。属としては今回、デンドロビウムが多く、結果としてボックスの3辺の合計が2m近い航空預け荷物としてはサイズ上限に近い段ボールが複数必要になり、一人の持ち帰りが困難になったため帰国前日の即断でマレーシアラン園2代目に搬送を手伝ってもらうことになり成田まで同行となってしまいました。これから3-4週間かけて、来年のサンシャインシティーや東京ドームラン展などへの出品準備も兼ねての植え付けが始まります。どのような種を今回仕入れたかは、それぞれの販売予定価格を含めて本サイトで明日から逐次紹介していきます。 昨年2月の本歳月記にマレーシアで入手したインドネシアからのセパル・ペタル全体が白色で、幅広の白色ベースのリップにオレンジ色のスポットのある種をDen. spとして取り上げました。サプライヤーからのその花画像紹介後、会員の方から本種はDen. atjehenseではないかとの指摘を頂き、その後今年の3月に開花した際、「今月の開花種」にはDen. atjehenseとして掲載しました。入荷当初は1株毎に素焼鉢にミズゴケとクリプトモスミックスで植え付けていましたがスペースを取るとのことでバスケットの寄せ植えに替え、高温室のスパチュラータ節やVanda sanderaianaと同じ環境下に置き2年が経ちました。 そうした中、例年の植え替えが7月から始まり、その際には種それぞれの生息環境をネットや文献から再確認をし、またこれまでの栽培の良し悪しや入荷前の根の活着形状等を調べながら、新しい植え替えの材料と共に鉢植えあるいは吊り下げにすべきかを判断し 高、中、低温環境への再配置も行ってきました。今月に入り再びこの白い花が開花中であることに気付きました。これまであまり注目をして来なかったこともあり、花やバルブ形状またマレーシアラン園園主の情報を基にネット上での資料を参照し調べることにしました。Den. atjehenseはWild Orchids In Sumatra.blogspotによると長い間探し求めていたもので、スマトラ島アチェ州で近年再発見された種だそうで、本サイトでの開花株と、そこに掲載された多数の花や株写真とが一致しました。下写真は11日現在浜松温室にて開花中のDen. atjehenseです。写真右は今回の植え替え前の状態です。本種に関しては国内外共にマーケット情報が見当たりません。 Den. atjehenseはスマトラ島固有種で同じCalarifera節には似た種にタイ、マレーシア生息のDen. subflavidumがあります。形状的に異なる点は、本種はリップ中央部が隆起しており先端で突起状に高くなっている点と、疑似バルブの中央部が太く先端に向かって細い形状であることです。本種がDen. atjehenseであることが確認できたため、これまでの高温から中温環境に移動しました。高温栽培でも花数は少ないものの枯れることなく、新芽も出ていたことから中高温(15℃ - 28℃)が適温と思われます。orchidspecies.comには生息域がスマトラ島とあるのみで標高等の詳細は書かれていません。栽培を通しての生態からは北スマトラ標高500m-1000mと推測されます。 本種の名前のAtjehは古いインドネシア語で現在のアチェ州のAcehを意味するそうです。スマトラ島アチェ州はインドネシアからの分離独立運動が1976年以降続き、外部からこの地域に入ることは困難でしたが、2005年に和平合意を得て往来ができるようになりました。今にちインドネシアから入荷する種名不詳のランの多くがニューギニアIrian Jayaと並んでスマトラ島からである背景は、島内でのそうした歴史によりこれまで北スマトラの自然が手づかずの地であったためと思われます。世界中の多くのラン原種愛好家からは北スマトラ地域は、世界で数少なくなりつつある中でのランの秘境と期待されています。本サイトで紹介しているBulb.spやDen.spのいくつかもラン園によれば2005年以降の治安の変化によってもたらされたものだそうです。 Dendrobium sp 昨年マレーシアより入手したDen. dianaeの株の中から種名不詳の花が開花しました。類似する花はCalcarifera節に見られ、例えばリップのカラーフォームはDen. cymboglossumに似ているのですがそれ程内側に湾曲しておらずまた短く、花茎は下垂していません。ドーサル・ラテラルセパル共に2.3㎝です。さらに調査が必要です。Dendrobium jiewhoeiにみる栽培温度 本種は2008年登録された比較的新しいボルネオ島SabahおよびSarawakに生息する花サイズ2.5㎝程の多輪花性デンドロビウムです。現在国内市場にはほとんど流通がありません。問題はorchidspecies.comを本種名で検索しますと、その生息域が標高1,100m - 1,500mでクールタイプとされており、当初この情報を参考にパプアニューギニアからのクールタイプと同じ環境(最高温度22℃)にて栽培をしていました。しかし株は枯れないものの新芽が出ず開花もない状態で徐々に株が小さくなるため、果たしてボルネオ島の1,100mから1,500mがランにとってのクールタイプ環境であるのか疑問が生じ、中温(最高温度25℃)に移動しました。その後、開花が始まり2年間ほど経ちましたが株が大きくならない、言い換えれば新芽が現れない状態は変わらずでした。そこで、今年は中温エリアの中でも最も高温(最高温度28℃)となる場所に移動して様子を見ることにしました。その結果、今月に入り下写真のように多数の開花が始まり新芽も現れ始めました。orchidspecies.comのDen. jiewhoeiのページにはシノニムの記載はないのですが、Calcarifera節にDen. calcariferum名がありこちらを検索したところDen. jiewhoeiと同じ花画像が使われ、そのページのシノニムにDen. jiewhoeiがありました。Den. calcariferumは1935年の登録です。同一種でありながら名前が異なるのは一方が70年以上前の発表と登録であることを考えればやむを得ないことと思いますが、注目したのはorchidspecies.comのページの温度マークです。こちらはクールからホットタイプとなっており、生息域は海抜0mから1,500mとなっています。同一種でありながらこの違いは栽培温度を決める際に混乱を招きます。皮肉を言えば同じ種でありながらこれまで本種はDen. calcariferumと呼ばれてきたが、1,100m以上の高地生息種はDen. jiewhoeiと呼ぶべき?かと。無論こんな定義は聞いたことがありません。 という訳ですが名前の問題は兎も角、現在ボルネオ島から入荷するDen. jiewhoeiはどうやら標高1,000m前後の生息種らしく夜間15℃以上昼間28℃以下の温度範囲と昼夜10℃近い温度差が栽培の適温のようで、バスケットにミズゴケで良く成長しています。
Bulbophyllum spの開花期 気温が下がり始めるこの時期はランが活発になることを指摘しましたが、同時に1日の気温差が10℃近くなると開花種も増えます。特にバルボフィラムは現在20種以上の種名不詳種を栽培していることから昨年から今年にかけて入荷した株の初めての開花が頻繁に起こっています。開花しても種名が分からないものや、ごく一般的な種であったりと様々です。例えば現在(7日時点)、下写真はミンダナオ島からのspとして入荷した種ですがBulb. lobbiiのような大きなバルブ基から伸びた花茎に蕾をつけています。ドーサルセパルが緑色でラテラルセパルが赤色のようですがそんな花はこれまで見たことがなく、はたして新種か、あるいは開花までのここ数日間で緑や赤が色変わりして普通のBulb. lobbiiになってしまうのか、こんな楽しみを持たせてくれる毎日が続いています。Bulbophyllum sp 一見、Bulb. ovalifoliumと思われるバルボフィラムが開花しました。しかし異なるのは下写真が示すように多数の特徴が見られ、まずペタルがドーサルセパルに近い長さであり太いストライプと縁に沿って細毛があります。またリップ中央弁の表面は滑らかで凹凸が無く内側に湾曲しています。右側の2つの株の写真は、左が本種、右がキャメロンハイランドBulb. ovalifoliumの大株で横に並べて撮影したものです。写真では分かりにくいのですがバルブサイズやバルブ間のリゾームの長さが異なります。種名は現在調査中です。9月末から10月の栽培 この時期の温室では4-5月と同様にランの成長が最も活発になります。それはそれまで開放していた温室の窓を閉めることによって、昼夜を問わず室内湿度が上昇することと、夜間温度が20℃を切り、一方昼間の温度が25-27℃の多くのランにとっての適温になるからです。一方で害虫被害も増える時期です。まず頭痛のタネはナメクジです。室外に出していた鉢を取り込むことで侵入したり、外気温が下がり温室の方が居心地が良いのか、花と言わず新芽や伸長中の花茎を食べあさります。困ったことに市販の顆粒状ナメクジ防除薬では排除しきれません。ある栽培書には夜暗くなってから見回り、箸で摘まんで退治するとか、夜ビールを入れた皿を置いて寄せ集め、一網打尽と書かれたものもありましたが、何年も待ってやっと蕾をつけたあるいは花が咲いたその夜に、ボロボロの見るも無残な姿になってしまった苦い体験をすればこんな悠長な退治法はとても受け入れられません。、本サイトではマイキラーを使用しています。顆粒状タイプではなく乳剤で200倍程に薄めて散布するのですが、当サイトの経験では目に見えて唯一効果のある薬剤です。食べてもらって撃退と言ったナメクジ任せではなく、動き触れればあの世行きと言った対処法です。ランに直接かけても薬害はありません。しかし数年前劇薬指定となったため購入には譲受書に印鑑が必要です。このためナメクジ退治に手を焼いている温室を訪問される方が時折、譲ってほしいと言われるのですが分けて差し上げることができません。手続きが若干必要ですが入手は容易です。 もう一つ毎年被害に苦しんでいる害虫はコクゾウムシを黒く小さくしたような昆虫です。こちらは花には被害を与えませんが、新芽や新茎を食害します。また頂芽基部の茎に卵を産み付けるようで、こうした個所は炭そ病のように黒変したり、齧られた個所からカビや細菌性の病気が発生し大きなダメージを受けます。前にも記載したことがありますが、胡蝶蘭原種、特に野生株が好みのようで実生株には目もくれません。新芽や新根が発生・伸長するこの時期に活発になるのも困ったものです。こちらはテルスターを使用して駆除していますが、いつも後手に回り被害に気付いてからの退治のためかなりの損害が毎年出ます。 葉上に炭そ病にような黒変した部分があり、その中心部に穴が開いていたり、葉肉がなく擦れたようなあとがあれば上記の昆虫かナメクジによるもので、カビ系の病気ではありませんのでその種の薬剤を散布しても解決しません。心当たりのある栽培家は殺虫剤の散布を行うことが必要です。 Bulbophyllum nasica 8月の歳月記でBulb. nasicaに似た形状で、セパルペタルが黄色をベースに基部があずき色のバルボフィラムを取り上げました。その株は中温での栽培でしたが、今月同一種の花が高温下においても開花しました。また同じ取り付け材に寄せ植えしていた株から、Bulb. nasicaと思われる赤褐色の花も開花しました。杉皮板や円柱形支持材にミズゴケを巻いた取り付けで良く成長しています。どうもこの種は多様なカラーフォームがあり、それが自然界でも同一コロニーの中で混在しているのか、ストックヤードでの栽培で混ぜ合わさったのかは不明です。6-8バルブサイズ株で2,000円での販売予定です。Bulbophyllum. sp 昨年1月に入手したニューギニアからの種名不詳のBulb.spが開花しました。クールタイプでDen. vexillariousと同じ環境での栽培です。花形状は一見Bulb. lorentzianumに似ていますが花茎がBulb. lorentzianumのように長く直立ではなく、花柄が短く、花が直接バルブの根元で開花している様態です。ドーサルおよびラテラルセパルはそれぞれ2.5㎝と3㎝です。10月初旬開花中のBulb. nasseriとBulb. kubahense バルボフィラム2点です。左がBulb. nasseriでドーサルおよびラテラルセパルはそれぞれ4㎝と5㎝で花サイズとしては中型となります。昨年12月の歳月記でドーサルからラテラルセパル先端間の縦スパンが14㎝を超える通常サイズの1.5倍以上の株を紹介しました。本種は晩秋から早春が開花期となります。右は20輪程の花をつけたBulb. kubahenseでこちらは春と秋の2回開花期となります。浜松温室での現時点の在庫数を数えたところ56株ありました。1株の平均葉数を4葉とすると、220枚相当となります。これだけの株数を栽培しているため、開花期になるとどれかの株で開花をしています。バルボフィラムとしては珍しい花形状ですが、本種の実物を見た人は意外と少ないようで、開花中の株を展示会に持っていけたらと思案しているところです。花は白地に個体差で赤褐色から黒褐色までの斑点があります。昨年黒褐色フォームが出ましたがすぐに売れてしまいました。下写真はその中間と言ったところです。56株いずれも今期、杉皮板から炭化コルクに植え替えを行いました。
Bulbophyllum sp ニューギニアからの種名不詳のバルボフィラムが開花しました。セパルペタルが細長く、リップが円筒形である点と開花時から2-3日経過するとラテラルセパルが後ろに反る点でBulb. nitidumに似ていますがセパルペタルの長さが共に8㎝(直線で8.3㎝)またリップは6㎝で花サイズは16㎝近くになります。花茎は下垂タイプで28㎝と長く、大きさではBulb. nitidumとはかなり異なります。Codonosiphon節とは思いますが現在調査中です。この節には似たような花形状がいくつか見られるものの花サイズ、葉(線形)およびバルブ形状(円錐形)を含めた全体で比較すると該当する種がネット画像からは今のところ見つかりません。栽培温度は中温・高輝度(LED照明)で、杉皮板に1年近く取り付けています。下画像が2日(上段右は3日)撮影の開花株です。前月へ |
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