12月
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Paph. rothchildianum NS30cm | Paph. rothchildianum 葉長50m超えを含む16株 |
56株あるPaph. sanderianum植替え後の45株 | Paph. gigantifolium 15株 |
Paphiopedilum gigantifoliumの植替え
スラウエシ島標高700-1,000mの渓谷に生息のPaph. gigantifoliumは発見が近年で1997年に命名されました。当サイトでは現在本種を8株栽培しており、種名の通り株は大きく1枚の葉の長さは50㎝を超え、1本の花茎に6輪の同時開化が数株に見られます。現在、前回の植替えから8年も経っており、冬期は植替え適期ではないものの、植替えと株分けを行いました。植込みは温室内で行いますが、ポットから取り出しての根や葉の洗浄などは、本種のような大株となると1株当たり30分以上を要する室外作業となるため、気温10℃以下の寒さに耐えながらの植替えとなりました。Paphiopedilum gigantifolium |
ポットから取り出した前記右の株 | 左の株の根をほぐし、2つに株分け |
上段右画像の株の植付け(ポットサイズ:21㎝径x25㎝高) | 多花性(6輪)Paph. gigantifolium6株 |
Bulbophyllum kubahense順化栽培のその後
60葉からなるBulb. kubahenseが支持材をはみ出す大きさとなり、10月30日にこの大株を5つに株分けしたことを同月の歳月記にて報告しました。それから45日が経過し順化栽培も終了しました。1m長のヘゴ板からの植替えであったため7割近くの根が切断され、順化期間内に2-3割の落葉も止む無しと覚悟していましたが60葉の内、古い葉が3枚落ちただけで済みました。根の損傷から考えると極めて少なく、古い支持材から切り離した直後の病害防除処理と、順化期間中の夜間最低温度を18℃、昼間25-27℃の環境が大きく影響したと思われます。下写真上段左が植替え直後、右が現在の様子です。5グループ全てに新芽や新芽の伸長が見られます。順化が終了したことから小さな肥料ケースを付けました。70㎝ヘゴ板5枚の株の葉数は現在、左から15、13、14、9及び6枚となります。いずれも葉サイズが大きな株で、下段写真に新芽や葉サイズを示しました。年明けにはこちらも一部を販売する予定です。10月30日撮影 | 12月6日撮影 |
上段右写真の左から2つ目の株の拡大画像と葉サイズ(長さ:21㎝ x 幅:10㎝)12月12日撮影 |
Paphiopedilum sanderianumの植替え
昨日(10日)、ペタル長1.1m及び97㎝となるそれぞれ2株のPaph. sanderianumを、株分けを兼ねて植替えを行いました。パフィオペディラムの植替えは当初、今年春の予定でしたが今月になってしまいました。本種は現在41株栽培しており、その殆どをこれから2週間かけて植替えします。それらの中で3割程が株分け対象となるため、終了後には50株以上になると思います。一般的に本種のスパイラル状のペタルの長さは60㎝までとされています。一方、これまでの栽培経験からはペタル長60㎝を超える株は、1枚の葉長(下葉)が全て40㎝を超えています。見方を換えれば、Paph. sanderianumで60㎝を超えるペタルを得るには長い葉長をもつ株であることが確かで、葉長は未開花BS株入手時の見極めの目安になります。今回は2株の元株から株分けで7株となりましたが、当サイトではそれ以外に葉長40㎝を越える株が現在8株あり、その半数は2株以上の株分けとなるため植替え後には20株ほどとなります。Paph. sanderianum Petal: 1.1m long | Paph. sanderianum Repotting |
現在(9日)開花中のBulbophyllum nymphopolitanum 類似種3種
フィリピン生息のBulb. nymphopolitanum Complex(類似種)が開化しています。前項のBulb. dolichoblepharonにも記載しましたが、このグループは同定が曖昧で纏まりがありません。orchidspecies.comではBulb. nymphopolitanumで検索すると、Bulb. levanaeらしき花が表示され、この画像に影響されたと思われる他の多くのサイトにも同様な画像が見られます。またそのページの中で、”本種、Bulb. trigonosepalumまたlevanaeが同じ種であれば、それらの内、最も早期に命名されたlevanaeとなる”と記載されています。これらはしばしば当サイトで取り上げているように花形状が全く異なり、まず全てが同じという仮定が成り立ちません。また同じページのReferencesの中にPhilippine Native Orchid Speces, 2011がリストアップされており、参照している筈ですが花画像が異なるにも拘らず、その考察は見られません。なお当サイトの種分けはJ. Cootes著Philippine Native Orchid Speces, 2011の花画像に準拠するものです。詳細画像は青色種名のクリックで見られます。Bulbophyllum nymphopolitanum Mindoro | Bulbophyllum mearnsii Mindanao | Bulb. sp aff. trigonosepalum Mindanao |
現在開花中のデンドロビウム15種
この時期の当サイトの高温種向け温室は晴れた日の昼間で25℃前後、夜間は16-18℃、また昼夜を問わず湿度は80%前後となっており、八割以上の属種で活発な新根や新芽の動きが見られます。Den. macrophyllumは25株程を栽培しており下画像は種名Den. setigerumとしてフィリピンから入荷した株て、当サイトでは両者はシノニムの関係としDen. macrophyllumに統合しています。Dendrobium treubii Moluccas | Dendrobium trichostomum New Guinea | Dendrobium dearei Borneo |
Dendrobium macrophyllum Luzon | Dendrobium sanguinolentum Borneo (Sabah) | Dendrobium sanguinolentum Borneo |
Dendrobium peculiare Sumatra | Dendrobium sp aff. jyrdii Malaysia | Dendrobium ovipostoriferum Borneo |
Dendrobium dianae bicolor Borneo | Dendrobium dianae bicolor Borneo | Dendrobium fairchildiae Luzon |
Dendrobium lambii Borneo Sabah | Dendrobium modestum Luzon | Dendrobium sylvanum PNG |
この1週間の開花バルボフィラム15種
バルボフィラムの中で最大の花サイズで知られるBulb. echinolabiumが、昨年2月に取り上げた株とは別株に開花しました。ドーサルセパルからラテラルセパルまでの長さは41㎝で、前回とほぼ同じでした。不思議なことに今回開化した花は匂いが弱く、鼻を近づけないと分かりません。果たして株の個体差か環境なのか、1輪づつ続けて3回ほど開化するので確認する予定です。Bulb. weberiはフィリンピン固有種で、これまで当サイトのサムネールリストに含まれておらず、今回追加しました。またフィリピンPalawan生息のBulb. makoyanumの画像も未公開であったためBulb. makoyanumページ内に加えました。Bulbophyllum echinolabium Borneo | Bulbophyllum irianae New Guinea | Bulbophyllum quadricaudatum New Guinea |
Bulbophyllum uniflorum Sumatra | Bulbophyllum orientale Thailand | Bulbophyllum orthoglossum Mindanao |
Bulbophyllum fritillariflorum PNG | Bulbophyllum fraudulentum PNG | Bulbophyllum antenniferum New Guinea |
Bulbophyllum gracillimum New Guinea | Bulb. gracillimum_semialba New Guinea | Bulbophyllum obovatifolium New Guinea |
Bulbophyllum weberi Mindanao | Bulbophyllum makoyanum Palawan | Bulbophyllum nitidum PNG |
Bulbophyllum sulawesii semi-albaとBulbophyllum dolichoblepharonの植替え
Bulb. sulawesii semi-albaは今年4月の当歳月記に初花として取り上げました。そこで今回どの様な経路で本種を入手したのか調べたところ、2015年5月の歳月記にBulb. sulawesii albescenseとして2014年10月、インドネシアからマレーシアラン園経由で10株程を花写真を見ての購入との記載がありました。しかし、Bulb. sulawesiiのアルバフォームとなれば可なりの希少種の筈で、これまでの8年間、それを意識すること無く栽培してきたのは何故かと云えば、入手後2-3年で多数の開花が見られたものの、全てBulb. novaciaeのミスラベルと分かり、その後、1株のみ開化したBulb. sulawesiiも一般フォームであったため、インドネシア・サプライヤーにまたしても、と諦め、特別扱いすることなく温室の片隅に吊り下げたままにしていたことが分かりました。どうもサプライヤーはセミアルバフォームを1株見つけて写真に収め、ロット内の全てをアルバフォームにした様です。1株だけでも本物であったことを良しとしなければ某国との取引は困難であることを再認識しました。1昨日(2日)は、このセミアルバ株を炭化コルクからブロックバークに植え替えました。下写真右が植え替え後の画像です。本種のアルバフォームはグーグル画像検索をしてもSwiss Orchid Foundationに淡い黄緑色の花画像が1枚あるのみでマーケットには見当たりません。もし当時、タイや台湾等へも輸出されていれば、8年も経つことから実生が出回っている筈ですが、それが見られないことは現在、可なり希少性が高い種と思われます。青色の種名のクリックで詳細情報にリンクします。Bulbophyllum sulawesii semi-alba |
Bulbophyllum dolichoblepharon |