5月
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Coel. multiflora Sulawesi | Coel. exalata Borneo | Coel. dayana Borneo | Coel. marthae Borneo Sarawak |
Bulbophyllum sp New Guinea
2016年4月に入手したニューギニアからのBulb. spが開花中です。本種は同年同月の歳月記に取り上げています。入荷から1年後に15株程ある内の2株に開花が見られたものの、その後は一向に開花がないまま時が経ち、昨年秋にそろそろ植え替えをと、1株を低温室から作業場所のある高温室に移動し、2ヶ月ほど植え替え待ちをしていたところその株が開花しました。どうも本種は低温ではなく高温タイプではないかと全株を高温室に移動し、様子を見ていたところ、今月に入り複数株で開花が始まりました。ニューギニアからの種名不明種はそのほとんどに生息地(域)情報がなく、これまでの経験から高温タイプを夜間最低温度12℃程に置いても枯れることはない一方で、低温タイプを夜間25℃以上の高温環境に置けば、いつの間にか消えてなくなることから、まず低温あるいは中温室に置いて栽培を始めるようにしており本種も当初は低温室とした訳です。Bulb.sp New Guinea |
こんな原種も現在植え替えています。Cattleya trianae 'Highjack' AM/AOS
2013-4年頃は多数のラリアやカトレア原種を集めていました。2016年にこれらを処分し、現在は販売していませんが、手放しがたい種が幾つかあり、その一つがCattleya trianae 'Highjack' AM/AOSで、原種としては可なりの美形です。確か2013年にプレオーダーとしてBela Vistaから東京ドームで入手したカトレアかと思います。写真左が本サイトで開花した花で、右は今回植え付けの終わった株です。炭化コルク60㎝x12cmに取り付けています。これまではポット植でしたが、本種はリゾームが上に向かって伸びるため、やがて新芽の根は空中に張り出したままとなり成長が遅く、吊り下げ型の取り付けに変更しました。写真全てが1株の元親から成長し分割した株です。本種はマーケット情報が少なく、今年2月初旬の米国マイアミのラン展での入賞花が見られます。花フォーム画像からは自分が所有する故か贔屓目に見てしまいますが、下写真の花の方がセパル・ペタルとリップ色との濃淡のコントラストが美しい気がします。Cattleya trianae 'Highjack' AM.AOS |
新種Bulbophyllum translucidum の開花
2016年発表の新種、Bulb. translucidumが開花しました。当サイトが入手したのは2016年9月で、翌年5月の歳月記に取り上げました。入荷時にはBulb. leytense名のミスラベルでしたが、フィリピンLeyte島からの入荷株であることと、葉とリゾーム形状がBulb. leytenseと似ていたため、その名前を付けたものと思われます。2016年発行のDie Orchidee 2(4) 2016によると生息地はミンダナオ島北東部Agusan del Surの標高約320mとされ、その他SamarおよびLeyte島とあります。本種については先月の歳月記に杉皮板から炭化コルクへ植え替えた様子を紹介したばかりで、植え替え後の初開花となります。国内マーケットは当サイト以外ないようで、何度か東京ドームやサンシャインラン展に出品しましたが買われた方がいた記憶がありません。下写真は花、株共に25日の撮影です。Bulb. translucidum |
Bulbophyllum claptonense aure
Bulb. claptonense aureを2015年7月のマレーシアPutrajaya国際花博で入手して5年が経ちます。その翌年、東京ドームラン展にNT Orchidが2バルブ50,000円で出品していたのが国内マーケットの初登場と思います。当サイトは2017年のサンシャインラン展で3バルブ20,000円で出品しました。下写真は23-24日撮影のBulb. claptonense aureです。中央はこれまで3回の株分けをした元株、右は株分けの際のバックバルブの一つで1年程で新芽や蕾が見られます。これらはブロックバークに取り付けており非売品です。本種は人気が高く、分け株はすぐ売れてしまうこともあり、現在マレーシアに注文をしているところです。Bulb. claptonense aurea Borneo |
現在開花中のデンドロビウム
5月末現在開花中のデンドロビウムです。Den. olivaceum Green Borneo | Den. officinale China | Den. peculiare Sumatra |
Den. Chameleon alba Luzon Philippines | Den. lambii Sabah Borneo | Den. phillipsii Mindanao Philippines |
Den. smilliae Papua New Guinea | Den. lancifolium New Guinea | Den. balzerianum Leyte Philippines |
Den. endertii aff. | Den. polytrichum Luzon Philippines | Den. nudum Sumatra |
Den. laxiflorum Moluccas | Den. klabatense Sulawei | Den. yeageri Luzon Philippines |
Dendrobium amboinense II
3月に取り上げた本種が第2波の開花を迎えています。本種は短命花ですが、1年で4回程の開花期が見られます。独特な花形状と純白のセパル・ペタルが特徴です。今回取り上げたのは、ドーサルおよびラテラルセパルがこれまでで最も長い、10㎝を超える花が開花したためです。下写真手前がそれで植え替えが残っていた数株の一つです。疑似バルブを太く充実させればLS15㎝サイズも出現するかもしれません。Den. amboinense |
Bulbophyllum gjellerupii
現在、Bulb. gjellerupiiが開花しています。下写真上段が21日撮影の花と株です。本種はラテラルセパルが上方に向かって開花する形状のバルボフィラムです。この株はキャメロンハイランドで2016年入手したもので、花サイズはラテラルセパル(LS)が3㎝ほどです。このラン園にはマレーシア生息種と共にニューギニア種も多く栽培しており、Bulb. gjellerupiiはニューギニア生息種とされます。本種についての記録は1929年と古いようですが、花サイズ、栽培温度などを含めほとんど情報がなく、マーケット情報も国内は無く、海外もほとんど見当たりません。当サイトの栽培では、高温タイプで開花期は春となっています。そこで形状の似たBulb. cheiriやBulb. lyriformeなどをネットで調べていたところ、orchidspecies.comのBulb. cheiriのページで疑問な点が見つかりました。Bulb. gjellerupii LS:2.8cm | ||
Bulb. cheiri aff. Palawan LS::5.5cm | Bulb. megalanthum aff.Palawan LS: 4cm | Bulb. withfordii Palawan LS: 5cm |
Bulbophyllum bicolor ?
中国およびベトナム生息種とされるcirrhopetalum節Bulb. bicolorは、肌色をベースにセパル・ペタルの内側には赤色のラインが複数平行に走り、前方に長く伸びたラテラルセパルが特徴です。久々に当サイトの温室にて開花したため、今回改めてorchidspecies.comのBulb. bicolorを参照したところ、花サイズが1.25㎝と記載されており、一体このサイズはどの範囲を指すのか、今回開花した花はBulb. annandaleiとほぼ同じサイズであり、それではとorchidspecies.comのBulb. annandaleiを見たところ、こちらは5㎝とあります。おそらく横幅と縦幅の違いと思われますが、NSサイスで表記するのであれば、acrossとかhightなどの情報を付帯する必要があります。下写真上段の花と株は21日撮影でBulb. biolorとして入荷したものです。ドーサルセパル先端からラテラルセパル先端までのNSサイズは5㎝、ラテラルセパルは3.2㎝です。1つの花が5㎝で、これが複数同時開花するのですからバルボフィラムの中でも、もっとも派手な種の一つになるにも拘わらず、入荷以来1株も売れなかったのは、はたしてBulb. bicolorでは花が小さ過ぎて魅力がないと思われていたのかと早速、廃棄同然のこの株を植え替えました。それが上段右画像です。これまでBulb. bicolorとしていた花サイズ縦スパンNS:5㎝ | 左株の炭化コルクへの植え替え |
Bulb. annandalei 一般フォーム | Bulb. annandalei Cameron Highlandsから入荷 |
現在開花中のCoelogyne4種
写真は現在開花中のセロジネです。左から3列それぞれはNSで7-10㎝の大きな花サイズです。Coel. xyrekesはマレーシアの1次業者から入手した株で、この業者は森林に囲まれた山中に住んでおり、普段は山からとれる山菜や果物を、またそうした売り物が無い期間、いわゆる農閑期は、花木を国道脇の露店で販売している人たちです。数年前その人たちの住居を訪れたとき、Coel. xyrekesがないかと尋ねたところ、4時間程待ってくれと言うのです。この中途半端な時間はどうしたものか同伴の園主に聞いたところ、彼らはこれから片道2時間ほどかけて山に入り取ってくるらしいのです。それにしてもこれからジャングルの中で、しかも高い木の上で開花していなければ分かり様もないセロジネを探し、登って採取するのに4時間はやはり短すぎ、おかしいと再度聞いたところ、彼らは農閑期の生計を支えるため山に入った際、いくらかの花木を集ておき、先祖代々からの山でそれらを移植栽培しているらしいというのです。キャメランハイランドなどマレーシア国道脇露店の販売人は、長年そうした生業をしている人たちであることを初めて知りました。4時間も待てないので、明日持ってきてもらいたいと伝えたところ、翌朝工事現場でよく見る1輪車に20株ほどを乗せてラン園に持ってきました。よく見ると元はほぼ1株のクラスター状態から10バルブ程の単位に株分けされているようでした。コロナウイルスが沈静化し、再度マレーシアに出かけるときはクラスター状態のままにしてもらうよう要求することを考えています。上手くいけば1株が抱えきれない程の巨大なCoel. xyrekesを入手できるかもしれません。Coel. xyrekes Seremban Malaysia | Coel. usitana Bukidnon Mindanao | Coel. celebensis Sulawesi | Coel. dayana Borneo |
Dendrobium uniflorum f. alba giant? II
Den. uniflorum近縁種は販売者にとり最も厄介なグループの一つです。前項でDen. uniflorum albaフォームに似た4㎝サイズの花を取り上げました。再び最近登録されたDen. jyrdii (OrchideenJournal Vol.6・05, 2018)を含め、株と葉を画像で比較してみました。Den. uniflorum alba | Den. jyrdii aff. I | Den. jyrdii aff II |
株サイズ:45cm | 株サイズ:95㎝ | 株サイズ:60㎝ |
胡蝶蘭Aphyllae亜属種の植え替え
現在胡蝶蘭Aphyllae亜属(Phal. honghenensis, hainanensis, wilsonii, braceanaなど)の植え替えを行っています。Aphyllae亜属は、中国雲南省からベトナムまで大陸山岳地帯に生息し胡蝶蘭の中では栽培難易度の高い種です。植え替えは2017年以前の杉皮板取り付けの株から、2年半前の炭化コルク付けの凡そ30株程で、今回から炭化コルクに統一しました。従来と異なるのは、取り付け材の長さを60㎝x9㎝と45cmx8cmの2種類とし従来の1.5倍長としたことです。2016年歳月記に栽培法を記載していますが、当時は1年分の情報を1ページで表示していたためロード負荷が重く、これを軽くするため抜粋したリンクをつくりました。Dendrobium uniflorum f. alba giant?
現在、Den. uniflorumアルバフォームが開花中です。一般フォームのDen. unflorumの花サイズはorchidsecies.comによると1.25 - 3.1cmとされ、また疑似バルブ(茎)の長さはJ. cootes氏著Philippine Native Orchid Specesでは最大(up to)長40㎝と記載されています。しかし今回開花した株は花サイズNSで縦横幅共に4㎝、疑似バルブは90㎝を越えており、それぞれの情報とはかなり異なります。現在当サイトでは、Den. uniflorumのアルバフォーム株は木製バスケット植え付けで5株栽培しており、これらはいずれもフィリピンからの入荷ですが疑似バルブ長は40-50㎝です。今回の特大サイズの株は、Den. paathiiの中にラベル無しで紛れて当温室内で数年栽培されていたため、フィリピンあるいはボルネオ島どちらの生息株かが不明です。下写真は全て本日(18日)撮影で、左下段は左から本種、一般Den. uniflorum、Den. ellipsophyllumでサイズを比較したものです。右は本種の株で炭化コルク吊り下げ取り付けとなっています。Cymbidium ensifolium subsp. haematodes
2018年、Cym. spとしてミンダナオ島Bukidnonから入荷したシンビジウムが開花し、Cym. ensifolium subsp. haematodesであることが分かりました。Cym. ensifoliumの亜種とされるsubsp. haematodesは現在、独立したCym. haematodes名で扱われているようです。下写真は現在(17日撮影)開花中のCym. haematodesです。本種のBukidnon生息は初めての確認と思われます。Cymb. ensifoliium類似種は日本を含め、インドからベトナム、さらにマレーシア、インドネシア、ニューギニアと広く分布しています。その中でCym. ensifoliumのマーケット情報は、しばしば見られるものの、Cym. haematodesについては、本サイトが2019年のAJOSサンシャインおよび東京ドームラン展に出品した情報以外ありません。この時のCym. ensifoliumおよびCym. haematodesはボルネオ島生息株でした。Cym. ensifolium subsp. haematodes |
Bulbophyllum lobbii giant
Bulb. lobbiiはマレーシア、インドネシアおよびフィリピンと生息域は広く、またその近縁種も多く良く知られたバルボフィラムです。花サイズはorchidspecies.comによれば7.5㎝ - 10cmとされます。一方、マーケットでは10㎝を超える本種をgiantと呼んでいるようです。この花サイズは株の成長や充実度に応じて変化することはなく、サイズは一定しています。下写真左は当サイトにて現在開花中(16日撮影)のBulb. lobbii giantで、3年前にマレーシアの1次業者の庭の木に活着していた株です。花サイズを見て入手しました。ペタルスパンが12㎝です。右写真は左がフィリピンPalawann諸島のBulb. palawanenseでBulb. lobbii近縁種としては大きい方ですが、並べると小さく見えます。株がクラスター状となっていることから近々植え替えを行う予定です。Bulbophyllum sp red from Sulawesi
BSサイズにも拘わらず、入手して数年間開花が無いランを相当数,、現在在庫していますが、2015年12月に入手したスラウェシ島からのBulb. spが4年半を経て、やっと開花しました。あまりに長い花の未確認状態であったことから購入される方もなく、ひっそりと温室の片隅に眠っていました。当サイトのバルボフィラム・サムネールにあるsp03です。花形状からはBeccariana節でBulb. virescens、uniflorum、aeoliumなどに類似しています。しかしsp03のラテラルセパルはBulb. uniflorum, aeoliumと比べ6㎝と長く、バルブ形状はスリムで、Bulb. virescensやaeoliumのような幅広の扁平ではありません。また類似種の中では、本種と同じスラウェシ島生息種は現状Bulb. virescensのみです。一方、ネット画像で見られるBulb. virescensのredタイプとも違和感があります。唯一、T.W..Cheng氏のBulb. virescensとするPinterest画像に似ているものの生息地情報は不明であり、ではスラウェシ島生息とされる既存のBulb. virescensの形状や花フォームを確認したいのですが確証的情報は見当たりません。現時点ではBulb. virescensの変種あるいは亜種ではと考えています。Bulb.sp03 from Sulawesi (Bulb. virescens aff.) |
現在開花中の胡蝶蘭原種
Phal. schilleriana、amabilis, philippinensisなど、大型の花種の開花期が終わり現在開花中の胡蝶蘭原種は余り多くありません。これからはPhal. pulchraやbellinaなどが花芽を伸ばしており開花期を迎えます。下写真のPhal. corningiana blue-lipは野生栽培株ですが、実生を作ったと園主からメールがありました。Phal. pulchra Leyte | Phal. bastianii Luzon | Phal. lamelligera Borneo |
Phal. maculata Borneo | Phal. floresensis Flores島 | Phal. corningiana blue lip |
Dendrobium amboinenseの植え替え
3月の歳月記に取り上げたDen. amboinenseの植え替えを現在進めています。半立ち性(新芽は上方に向かうものの、伸長に伴い弓なりとなり、やがて下垂する)の本種はこれまで写真上段右の円筒形状取付材にて栽培をしてきました。これはヤシガラマットを円筒形に丸め、筒の中にはクリプトモスを入れ、外面はミズゴケを4-5mm厚で一様に覆ったものです。この筒形取付材は、特に胡蝶蘭原種用として10年以前によく使用し、根が長く伸長する種や乾燥を嫌う種に適しています。欠点は、3年程度で植え替えをする場合、マットの網目に潜った根が取り外しにくく、かなりの根を切断せざるを得ないことです。この結果、ヘゴ板よりは少ないものの、多くの根が失われることで暫くは作落ち(一部の落葉)が避けられません。Den. amboinenseの植え替え |
バルボフィラムに見る花サイズの違い
現在(7日)開花中のバルボフィラムの中で、同種にも拘らず花サイズが大きく異なる2種を取り上げてみました。下写真左はSumatra島生息のBulb. grandiflorumで、右はBulb. maxillareです。Bulb. maxillareは写真左がマレー半島、右がPalawan生息株となります。こうしたサイズが同種で大きく異なる種は、胡蝶蘭やデンドロビウムには余り見られませんがバルボフィラムではしばしばで、個体差、地域差、一過性のもの、あるいは染色体異常などが考えられます。しかし僅かな差ではなく倍近くあるいは以上にサイズが異なり、且つ1株だけでなくロット内ではほぼ同じ特性をもつことも不思議です。Bulb. grandiflorum | Bulb. maxillare |
Adenium obesum
ランではありませんが今月に入り、塊根植物のAdenium obesumが開花を始めました。昨年2月フィリピンで入手し、現在はポット表面から60㎝程の背丈になっています。入手時は花が無く、茎も短い形状でしたが、どうやら園主は気を遣って、それぞれ花フォームの異なる株を選んでくれたようです。夏期は朝日のみの当たる屋外の日陰に置き、10月から6月までは温室内でランと同居です。そのため温室内では塊根植物にとって湿度が高過ぎると思われ、かん水を極力控えています。5株あり全体で30個ほどの蕾が見られます。植え付け時はポットに余裕が多少あったのですが、下写真に見られるように窮屈になってしまい花が終わり次第、一回り大きなポットに植え替え、1mを超える株に育てることが目標です。Adenium obesum |
現在開花中のデンドロビウム
浜松温室にて現在開花中のデンドロビウムを撮影しました。Den. punbatuense Borneo Kalimantan | Den. igneoniveum Sumatra | Den. fimbriatum Thailand |
Den. laxiflorum Moluccas | Den leoporinm New Guinea | Den. lineale blue New Guinea |
Den. intricatum Thailand | Den. yeageri Luzon Philippines | Den. loddigesii China |
Den. cinnabarinum angustitpalum Borneo | Den. khanhoaense Vietnum | Den. paathii Borneo |
Den. uniflorum Luzon Philippines | Den. canaliculatum New Guinea | Den. sp Palawan Philippines |
Den. ovipostoriferum Borneo | Den. mutabile Sumatra | Den. tannii Moluccas |
Den. stratiotes New Guinea | Den. aurantiflammeun Borneo | Den. erosum Malaysia |
Den. victoriae-reginae Mindanao Philippines | Den. toppiorum taitayorum Ache Sumatra | Den. batakense Sumatra |
Vanda floresensisの開花
2016年4月に入手したVanda floresensisが始めて開花しました。このロットは2回目で初回は2015年10月です。不思議なことにorchidspecies,comやWikipediaなどには本種名が無く、Ijunggrens.orgのVanda species listに、多数のデンドロビウムの新種報告で知られるP.O'Byrne氏によるレポートで、フローレス島および小スンダ列島(バリ島からティモール島に至る島々)の生息種との記載があります。また本種名で画像検索すると、セパル・ペタルは黄色をベースに、クリムソン(深紅)色の斑点が広がり、リップ中央弁が青紫色のフォームと、セパル・ペタルおよびリップが共にエビ茶色の、2つのフォームが見られます。いずれもセパル・ペタルの先端部はソリッド色で、基部に向かって斑点模様となっています。さらにリップ基部の左右の突起形状が白色と、中央弁と同色のフォームがあり、通常ではあまり見られない同種間のこうした花色の違いが種の同定を難しくしているように思います。この2つのカラーフォームは個体差なのか、地域差なのかは不明で、本種に関する詳細情報はほとんどありません。Vanda floresensis |
Vanda lombokensisの開花
インドネシアLombok島生息のVanda lombokensisが開花しています。今回の開花は2018年末の入荷株で炭化コルク付けとバスケットでの植付けをそれぞれ5株ほどで栽培をしている中のコルク付け株です。本種は黄色をベースにセパルペタル全面に赤褐色の斑点があり、またリップ形状が独特で、Vandaの中では個性と迫力のあるフォームをもちます。本種を最初に入手したのは2014年12月で、下写真の株は第3ロットとなります。それぞれのロットごとに生息環境の違いか、フォームが僅かながら異なります。5年間の栽培を通して分かったことは、本種はVandaの中で最も成長が緩やかな種であることです。現在台湾やタイでの実生が安価に入手できるようになりましたが、FS株になるにはかなりの年月がかかると思います。定年を過ぎ開花を急ぐ方は、FS株を入手されるのが必須で、小型株では年齢との争いになるかもしれません。ただ本種のFS株を取り扱っているラン園はこれほどの美形にも関わらず海外においても僅かです。Vanda lombokensis |
新型コロナウイルス問題
昨日NHK特設サイトで、国内のラン業界にも深刻なコロナウイルスによる被害が及んでいることを知りました。慶弔用胡蝶蘭マーケットですが1/3程度に減少しているとのことです。一方、フィリピンではマニラ首都園のロックダウン封鎖によりランの出荷は止まったままだそうです。このため農園では、これまで開花間近な株を出荷していたものの、行き先を失った数千株が満開となり、作業者にとっては始めて見るその美しい風景を喜んでいるとのオーナーの強気のコメントもありました。裏返せば、その次に来るものは何か?そう思わざるを得ない深刻さが伺えます。