2月
現在開花中のDendrobium deleoniiとDendrobium paathii
ミンダナオ島Bukidnon標高1,300m生息のDen. deleoniiと、ボルネオ島Sabah州低地生息のDen. paathiiが現在開花中です。今回は一株当たりの輪花数がそれぞれ21輪と14輪のこれまでの最多レベルの同時開花であることから、14日と15日にそれぞれを撮影しました。Den. deleoniiはチークバスケット、一方Den. paathiiは炭化コルクとヤシ繊維マット重ねへの植え付けとなります。Den. paathiiは花後、杉板に植え替え予定です。Den. deleoniiは2018年発表の新種で且つミンダナオ島生息種であるためか、現在も極めて入手困難なデンドロビウムのようです。
種名不詳のデンドロビウムDendrobium sp aff. cymbulipesの植え替え
Den. Cymbulipesの類似種と思われる種名不詳の株の植え替えを行いました。本種は2017年7月にDen. cinnabarinumのミスラベルで ボルネオ島のサプライヤーから入手したもので、その経緯は同年同月の歳月記にて報告しました。下画像中央は高さ80cmの現在の株の一つで、25本を超える高芽があり今回これらを外し、3-4本の高芽を1組として寄せ植えし右画像に見られる8個のチークバスケットに植付けました。中央の画像は高芽を取り外した後の株の姿です。
花形状から本種はデンドロビウムcrumenata節と思われます。そこでIOSPEサイトに掲載のcrumenata節84種を参照し、花形状を中心に比較検証を行いました。しかし本種に酷似あるいは該当する種は見当たりません。。一方でDen. cymbulipes名でのネット検索ではDen. cymbulipes lilac-pink sepalsとされる花の側面画像が1点あり、その形状と色合いが似ていることとその種はボルネオ島サバ州とされ生息域も本種と同じであることから、情報元のMalesian Orchid Jaurnal Vol.10 (2012) 103-122 MountTambuyukonを調べました。しかし記載から得られる情報はDen. cymbulipesの花色の違いと生息域のみでDen. cymbulipesとされることに変わりはありません。当サイトではこれまで2019年11月と2023年2月の歳月記に本種とDen. cymbulipesとの違いを報告しましたが、再度下画像に両種の相違点を取り上げてみました。画像から明らかなようにDen. cymbulipes aff.のリップ中央弁の4列の突起や葉(針形)の形状などは、Den. cymbulipesとは変種の範囲を超える相違があり、両種は別種であると共に本種は未登録のデンドロビウムの可能性が高いと思われます。
ちなみにDen. cymbulipesのマーケット情報についてのAI検索では、当サイトの5年以上前の価格1万円(>15葉)から 2万円(>20葉)が表示されるのみで、他には海外を含めいずれも販売は現在見当たらないようです。ではより希少性の高いDen. cymbulipes sp aff.の販売価格をどうするか、現在未定です。
Bulbophyllum infundibuliformeとBulbophyllum obovatifoliumの植え替え
ニューギニア低地生息のBulb. infundibuliformeとBulb. obovatifolliumの杉無垢材への植え替えを行いました。下左画像の右から4株がBulb. infundibuliformeで、奥の2株はBulb. irianaeです。Bulb. infundibuliformeは画像に見られる4株とは別にチークバスケットに植付けた7株も栽培中です。右画像は全てBulb. obovatifoliumです。株サイズに合わせて支持材サイズは手前4株が40cmx15cm、右端が葉付きバルブ12個の60cmx15cmサイズとなります。
これまで本ページで植え替えを報告してきた全ての種はそれぞれ2株を残し、他は販売対象となります。
現在(4日)開花中の11種
Coel. assamicaはバルブ間(リゾーム)が長いためポット植えは適さず、当サイトでは現在杉板へ取付けて栽培しています。昨年は3輪の開花でしたが今回は10輪の同時開花となりました。一方Coel. longirachisは、花は小型ですが花の終わった花軸の長いジグザグ状の節が画像に見られるように、Coel. usitanaと同様に次々と開花が続き、年中花が見られます。本種は夏期と冬期で花色が変化する特性が有り冬期は赤味が増します。
2024年の猛暑でダメージを受けたBulb. inacootesiaeはかなり回復しており、今年は20株程の内、4割ほどで開花が始まりました。Coel. sp aff. tomentosaはリップ中央弁の先端部の形状がCoel tomentosaとは異なることからsp aff.としていますが現在も種名は不明です。その形状の相違は画像下の青色種名のリンク先で見られます。Den. leporinumはこれで1株での開花です。自然体では1mにもなる疑似バルブ(茎)が広がって全体を撮影することが難しく、茎を寄せての撮影となりました。これでも画角内に入りきれない花が10輪ほどあります。本種は花寿命が長く、こうした風景が1ヶ月以上見られます。
近年になって発見されたバルボフィラム3種の植え替え
下画像は2010年代に種名が決まったBulb. irianae、Bulb. hymenobracteumおよびBulb. isabellinumです。これまでBulb. irianaeおよびBulb. hymenobracteumは炭化コルクとヤシ繊維マット重ね、一方でBulb. isabellinumはブロックバークをそれぞれ支持材としてきました。今回Bulb. hymenobracteumは画像に見られるようにチーク材バスケット、その他は60cm x15cmから40㎝x15cmまでの杉板サイズへの植え替えとなりました。画像下にそれぞれの種名公開者名と年を記載しました。