栽培、海外ラン園視察などに関する月々の出来事を掲載します。内容は随時校正することがあるため毎回の更新を願います。  2024年度

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7月

現在開花中の2種:Dendrobium daimandauiiBulbophyllum translucidum

 Den. daimandauiiはボルネオ島キナバル山近傍に生息のデンドロビウムで2011年(J.J. Wood)に、一方Bulb. translucidumはレイテ島生息のバルボフィラムで 2016年(R. Bustamante, et al.)にそれぞれ発表された新種です。いずれも現在マーケット情報は僅かで、その背景としてDen. daimandauiiは生息域がキナバル国立公園域(採取禁止)に関わりがあるのか、またBulb. translucidumは、当サイトが現在栽培する本種数十株全てがBulb. leytensの発注でのミスラベル株であったように、現地サプライヤーにとっても花確認の無い株は種別判断が難しいのかも知れません。 特にBulb. transludcidumについてはIOSPEに現在も記載が無く、またOrchidrootsにおいても掲載画像は1点のみです。
 下画像のDen. daimandauiiは現在開花中の花で、本種は茎(疑似バルブ)が長く半下垂タイプのため木製バスケットに、一方のBulb. translucidumはこれまで炭化コルクでの栽培でしたが本種のリゾームは長く、多数のバルブが支持材を大きくはみ出しそれらが2年以上空中に垂れたままとなっており、この状態では今年の夏の猛暑は越えられないと思い、古いバルブを取り除き新たに下画像右に示すように先週から今週にかけて60㎝杉板に植え替えを行っています。現時点で取り付けた板数は22枚で画像はその一部です。杉板1枚当たりの葉付きバルブ数は15-20個となっています。

Dendrobium daimandauii Borneo Bulbophyllum translucidum Leyte


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