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栽培、海外ラン園視察などに関する月々の出来事を掲載します。内容は随時校正することがあるため毎回の更新を願います。  2021年度

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5月

Bulbophyllum recurvilabre

 先月の歳月記に’Bulbophyllum trigonosepalum近縁種’との標題で、始めて見る花が開花したことを取り上げ種名不詳としました。ところがOrchidspecies.comのBulb. recurvilabreのページに同種と思われる画像があり、当サイトやJ.Cootes著Philippine Native Orchid Species, p60の花画像、またネット上の多くのBulb. recurvilabre画像とも大きく異なるため、当サイトのBulb. recurvilabreの開花を待ち、相違点を報告することを述べました。

 20日現在、4株で開花が始まったことで画像を中心に、その相違点を下記に取り上げました。なお先月の種名不詳種は当サイトのトップページのバルボフィラムメニューにsp31aとして追加し種別サムネールのsp31aの画像をクリックして詳細を見ることが出来ます。また当サイトのBulb. recurvilabreにも新たに画像を追加しました。

 まずorchidspecies.comの本種名の種は、Flower Closeup画像の花と蕾の様態から、一輪毎に開花し、その花が終わると次の花が咲くと云った多くのバルボフィラムでよく見られる特性を持つと思われます。当サイトのBulb. recurvilabreでは、バルブに近い最初の花が開花した後、ほぼ2日間隔で次の花が開花し、合わせて4日程で3輪が同時開花します。株が若いあるいはコンディションが良くない株では1-2輪までの開花も見られます。花茎は5-10㎝と短く、sp31のような立ち性で30㎝程になる形状とは大きく異なります。

 一方、J. Cootes著の中で、葉は16㎝以下、花茎の長さは葉長と同じかそれ以上(Leaves: up to 16cm long by 2.5cm wide また Inflorescences: equal to or longer than the leaves)と記載されています。では当サイトの株ではと、メジャーと共に葉長の画像をBulb. recurvilabreのページに追加しました。28㎝長です。葉長の違いは環境や成長に大きく左右されるため、記載時の株サンプルが偶々その長さであったからと思います。しかし花茎の長さが葉長以上との説明となると、16㎝以上??となり、余程小さな株に花が咲いたのかと。いずれにしても最初に種名recurvilabreを付けたL. A. Garay氏の論文を読まなければ分かりません。膨大な種が存在し、似た者同士も多いランの世界では種を解説・議論する場合、可能な限りそれぞれの部位についての詳細画像を栽培者に提供することも、特に同定のための情報として必要と感じます。

Bulbophyllum recurvilabre Bulbophyllum sp31
Inflorescences Midlobe

現在(9日)開花中の14種

 連休の先週から、晴天日には温室の中の気温が昼間35℃を超えるため、午前10時から夕方まで70%寒冷紗で温室を覆うことになりました。そうした環境の中でも多数の種に開花が見られ、その中から15種を選び撮影しました。下画像でBulb. graveolensは久々の登場です。またBulb. inunctumはボルネオ島タイプで、同種のフィリピンルソン島タイプとは色が全く異なります。Den. stratiotesは背丈1.5m程の株で花茎が3本発生しており、その一つに13輪が開花していたため撮影しました。蕾の数から株の総開花数は32輪となる予定です。本種の花寿命は1.5ヶ月程と長く栽培が容易なデンドロビウムです。

 Cat. mossiae
Strchl. dalatensisは4年前それぞれエクアドルMundifloraおよび中国四川省ラン園のサンシャインラン展での売残りの引き取り株です。写真のCat. mossiaeはセパル・ペタルが淡いピンク色をした17㎝程のサイズですが、orchidspecies.comで検索したところ匂いがgarlic(ニンニク)と記載されており、カトレアがニンニクの匂いとは何かの間違いではと、改めて実物の匂いを確認しましたが下画像の花は飴玉のような良い香りがします。1株しか栽培していないため果たしてこの香りが一般的かどうかは分かりませんが、ベネズエラの国花とされる花がニンニクの匂いの筈はないのでは?。もし日本の国花である桜がニンニクの匂いがしたら花見は無理、と云うよりは国花にはならなかったのではと。

Bulbophyllum bandischii NewGuinea Bulbophyllum sp17 NewGuinea
Bulbophyllum lasioglossum Luzon Bulbophyllum graveolens NewGuinea Bulbophyllum inunctum Borneo
Dendrobium stratiotes NewGuniea Aerides inflexa purpurea Luzon Dendrobium hercoglossum alba Malaysia
Dendrobium olivaceum Green Borneo Coelogyne asperata Borneo Coelogyne sparsa Luzon
Cattleya mossiae Venezuela Stereochilus dalatensis Yunnan Phalaenopsis floresensis Flores

Paphiopedilum gigantifolium

  一昨年6月に紹介した本種が今年も6輪の花を開花しています。20年前に入手した株で、ランの栽培を始めてから今日までのほぼ同じ歳月を共に過ごしてきました。8株栽培中の内、画像の株を含め4株が開花中で3株はそれぞれ5輪の開花です。他の4株は秋の開花となります。Paph. sanderianum同様に前回の植替えから8年が経っており40株程あるPaph. sanderianumを含め花後には、株分けと一回り大きな鉢にバーク、軽石、麦飯石のミックスで植替えをする予定です。植え替え後には両者を合わせ70株程になりそうです。下画像の撮影は本日(3日)で、右写真はこの株の3つの新しい芽です。

Paphiopedilum gigantifolium


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