Phalenopsis hainanensis

1.生息分布

中国(海南、雲南)

2.生息環境

 海抜2,000m

3.形状

3-1 花

1. 花被片
 中国雲南省を中心とするaphyllae亜属のbraceana, hainanensis, honghenensis, stobartiana, wilsoniiに関してのそれぞれの明確な分類は、十分なデータがないことと、分類のための決定的な形態学的特徴が曖昧なことから、分類が最も困難なグループである。通常は花被片、カルスおよび香りなどが対象となるが、このグループに限って花被片の色が良く用いられる。花色は個体差が多く、決定的要因とするには無理がある。これは他のサイトに記載されたそれぞれの写真に、特徴の統一性が見られないことからも伺える。下の表はそれらの種を含む、一般的に用いられるaphyllae亜属分類の特徴を示したものである。詳細は各種のページを参照。
表1 Aphyllae節の花被片比較
花被片形状
花被片色
リップ形状
カルス
braceana 楕円・丸み 淡栗色、緑黄(青リンゴ)色で縁取り 長楕円。竜骨カーブ
hainanensis 長楕円・細長い 薄桃色 先端にフレアーの広がり。先端やや丸み 2組
honghenensis 楕円・丸み 薄桃色(pale rose-pink)、薄緑色(pale-green) 先端細長い。長方形 2組離れる
stobartiana 楕円・丸み オリーブ緑色、緑褐色 先端細長い。楕円形 2組離れる
wilsonii 楕円・丸み 薄桃(pastel pink)色、薄紫色 先端ハート型、切り込み型 2組

Phal. hainannsis Phal. hongenensis
Phal. braceana Phal. stobartiana Phal. wilsonii

2. リップおよびカルス
 前記記載

3-2 さく果

 さく果形状はaphyllae亜属共通の特徴をもつ。

Phal. hainanensis Seed Capsule

3-3 変種および地域変異

 花被片の色地が白や緑気味のものがあるが変種としては知られていない。

3-4 葉

 葉数は4-5枚以内で、葉長6.5-8cm、幅2.5-3cm
 Aphyllae亜属(Phal. braceana, wilsonii, minusなど)や、 Parishianae亜属(lobbii, gibbosaなど)は自然環境において乾季には落葉する種であり、人工的な栽培においても全ての葉が落葉することがある。根が固ければ生きており春には再び葉が発生する。固く緑色の根が少しでも残っていれば、冬季の数ヶ月間は潅水を控えめにし、その後通常の潅水をする。また根に十分な照明を与えないと、いつまでも葉は発生しない。
。冬季および開花期は野生では落葉するが、温室では寒期や乾燥がないため多くは落葉しない。
Leaves

3-5 花茎

 花茎は40-50cm長。Phal. honghenensisと比べてかなり長い。2本程度発生する。

3-6 根

 株の大きさに比較して根は活発に伸張する。活着した根は扁平となり表面は銀白色で不規則な皺が入る。根に葉緑素をもつためコルクあるいはヘゴ板への取り付けが必須であり、根を埋めて光が当たらないミズゴケやミックスコンポストには適さない。

4.育成

  1. コンポスト

    コンポスト 適応性 管理難度 備考(注意事項)
    コルク、ヘゴ      
    バーク 半透明プラスチックポット     栽培難易度参照
    ミズゴケ 素焼き    

  2. 栽培難易度
    やや難。冬季10-15℃に3か月ほど置かないと春の花茎の発生は難しく開花を得ることができない。
    現地では(半)透明プラスチックポットと大粒バークでの植え付けが良くみられる。Aphyllae亜属は支持体に活着した根の表裏は生理機能が異なり、支持体に活着した面は水分や栄養分の吸収、一方空気に触れている表側は固い皺のある緑色で、葉緑体をもち光合成をしていると考えられる。このためポットに植え付ける場合は光を通す半透明プラスチックが有効となる。またポットでの深植えは常に根がバーク内に埋もれたり、水分過多になって、光が当たらない問題があり、株元(根元)を2-3㎝バーク面トップから浮かした植え込みが良いとされる。

  3. 温度照明
    aphyllae亜属の特徴として、他種と比較して低-中温が好ましい。高山に生息の本種は冬季夜間は10C前後に2か月程度置かないと早春に花茎を発生しない。中光であるが冬季は明るい照明が必要である。

  4. 開花
    温室栽培では早春に4-5輪ほどの花をつける。

  5. 施肥
    特記すべき事項はない。コルクやヘゴ着けのため固形肥料をお茶バックに入れて吊るす方法がある。

  6. 病害虫
    病害虫に弱い印象を受けない。1‐2枚を残して落葉することがあるがこれは病気ではない。

5.特記事項

 本種、Phal. honghenensis、Phal. wilsoniiに関しては 、それぞれが正しく種別されて入荷することはまず難しく、輸出業者も葉だけからは区別できないのが現状である。開花し、花被片の色やカルスを調べるまでは特にaphyllae亜属は種同定は困難である。